たまに夢を見る。それは雷門サッカー部が学校のグラウンドで練習しているあのいつもの風景で、俺が大好きな日常。狩屋が俺にパスを出してさらに俺が剣城へパス、そしてシュート。決まったら狩屋とハイタッチしてそのまま二人で剣城に抱きつく。俺が狩屋を引っ張って剣城に突進するから本人は変な顔してるし剣城は毎回避けるから結果的に俺たちは地面とこんにちはをすることになる。でも俺はそれが大好きだ。みんなとサッカーをするのが楽しくて楽しくて仕方がない。自分では気づいてないだろうけど、サッカーをしている時の狩屋はとても生き生きしていて、そんな狩屋を見ていると俺まで嬉しくなるんだ。これからもずっとそうなのだと思ってた。

どうしてこんなことになってしまったんだろう。

あの日の狩屋の背中はまるで別人のようだった。狩屋の口からあんな言葉を聞く日が来るなんて。せっかくみんなが元に戻ってまたサッカー出来ると思ったのに、これからだって時に、奴らはまた俺から奪っていった。なんとかなるさって言うけれどなんとかなる保証なんてどこにある?俺たちが奴らに勝てない限りあの日常は戻ってこないのだ。吐き気がする。

なあ狩屋、今何を考えてる?サッカーじゃない別のことかな。狩屋のことだから明日の夕飯はなんだろうとか考えてるのかな。俺はね、君のことを考えてるよ。狩屋のこと、サッカー部のこと、未来のこと、そして円堂監督のこと。

絶対に取り戻してみせるから。全部元通りにしてみせるから。だから待ってて。また一緒にサッカーしよう。だいすきな狩屋とだいすきなサッカーとだいすきなこの世界をこの手で必ず守ってみせるから。

涙が勇気に変わりますように


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