放課後部室へ行くと何やら怒鳴り声が飛び交っていたので恐る恐る中を覗くと剣城と狩屋が喧嘩していた。
「剣城くんなんか嫌い!」
「俺だってお前みたいな根性悪嫌いだ!」
「言ったな!俺もうまじ嫌いだからな!もう知らないからな!」
わあなんて幼稚な。部室の奥でキャプテンが眉間を押さえている。
「なんでケンカしてるんですか?」
「さあ…俺が来たときにはもう」
「またいつもの痴話喧嘩じゃないのか」
「霧野先輩」
「ああ。かもな」
「にしてもあいつら懲りないな」
「まあほっとけばいつの間にかまた元通りになってるだろ。さあみんな練習だ」
パンパンと手を叩きながらキャプテンが声かけをする。剣城と狩屋はまだいがみ合っていたけどお互い準備に入った。剣城が怒鳴るの珍しいな。
はっきし言って、今日の部活めちゃくちゃこわかった。
シュート練の時の剣城とか何か乗り移ったんじゃないかという剣幕で「デスソードデスソードデスソードォォオオオあのやろおおおおおおおおお!!」どぎついシュートバンバン撃ってたし。「俺にとってもいい特訓になったよ」傷だらけの三国先輩ちょっとかわいそうだった。
狩屋に至ってはやたら霧野先輩に突っかかってた。先輩はもう狩屋の相手に慣れたのか軽くあしらってたけど。狩屋にしては珍しく荒れてんなー。
(何人かを除いて)みんなに直接害を与えるわけでもないしみんな大して気にしてない感じだけどやっぱりこんな空気はいかがなものかと思って俺キャプテンに相談してみた。キャプテンは困ったように笑って「でも話を聞いて解決した試しが無いからな…」
今回も時間の流れに任せることになった。
次の日朝練に来てびっくりしたよ。だって剣城と狩屋が楽しそうに笑ってたんだもん。様子を見てたら剣城が狩屋にデコピンして狩屋も負けじと頭突きしてた。
喧嘩の原因は何だったんだろう。