シャインダークネタバレ注意
おれはずっと『あの人』に憧れていた。サッカーでおれを救ってくれた『あの人』はとてもかっこよくてまぶしかった。それからサッカーに惹かれて、『あの人』みたいになりたいってたくさんたくさん練習した。上手くいかなくても「なんとかなるさ」って自分を奮い立たせて、いつか『あの人』くらいに『あの人』を越えられるくらいにって。『あの人』は目標で希望でおれの恩人。
だから、だから、もっと違った形で再会したかったよ。
「イシド、シュウジ…」おれたち、ううん。全国のサッカーを愛するみんなからサッカーを奪った人。でも『あの人』がそんなことするはずない。サッカーを好きじゃなかったらあんなボールは撃てない。
おれはどうしたらいいんだろう。どうしたらいいんでしょうか円堂監督。わからない。わからないよ。
「俺も最初は驚いたよ。聖帝が豪炎寺さんだって知った時は」
ああ、あの時おれを救ってくれたのは豪炎寺さんだったんだ。聖帝イシドシュウジは豪炎寺さんだったんだ。
ぐるぐる、ぐるぐる。廻る思考は止まらない。どうしてこうなってしまったんだろう。
「ねえ…あなたは本当は、」次の言葉は飲み込んだ。これを口にしてしまったらおれの中の何かが壊れちゃう気がして。
「…なんでですか…」
泣くことしか出来ないおれは無力ですね。たったの中学1年生で何が革命だ。「お前達のせいでうちの学校潰されちまったんだぞ!」たくさんの人にかなしい思いをさせてしまった。おれは今まで自分のサッカーを信じてここまで来たのに。今になって急に不安でいっぱいになる。
『あの人』は本当にこのサッカー界を望んでいるんだろうか。
「知りたければ、ホーリーロードを勝ち抜いていくことだ」
イシドシュウジは雷門が勝ち進むことを願っているんだろうか。なら、なんで。
「……おれ…わかんないよ、豪炎寺さん…」
だれか、ここからたすけて、