「俺死にたい」

そう言ってみせると綺麗な青色の眼が俺のじっと捉えて離さない。何も言わないし何もしてこないけど、ガラス玉みたいな透き通った瞳に心の芯まで見透かされてるような気がして本当は少し苦手だった。

「なんで死にたいの?生きることに飽きちゃった?学校がつまらない?面倒くさくなった?」

静かな声色。きっと太陽くんは怒ってる。ここでビンタの一発くらいしたっていいのにお人好しなのだろう彼は黙ってる俺に悲しそうな困った顔をしながら言うんだ。

「死なないで」

まるで悪魔の呪文みたいに俺と生を繋ぎ止める。何度も死のうとしたのにこの一言によって何度も死ぬタイミングを失うのだ。



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