円堂はまるで太陽みたいな奴だと思った。

 明るい笑顔は人を救い、力強い言葉は誰かを導く。最後まで諦めない真っ直ぐな心と精神を持った本当にすごい奴だ。
 いつかの河川敷での出会いから今まで。本当にいろんなことがあった。俺はいったい何度こいつに救ってもらっただろう。

 ふと隣に視線をやると円堂と目が合った。バンダナを外していると前髪がいつもよりも長く垂れて翳りをつくっている。襟足も少し伸びたかな。

「豪炎寺どうかした?」
「……なあ、円堂」

俺さ、きっと来世でもお前を見つけてまた好きになると思うんだ。
 
 俺の言葉を聞くなり円堂は「何だよ突然〜」とはにかむように言いながらバシバシ俺の背中を叩いた。少し痛かったけど照れ隠しをしてるのかと思うとそれすらもいとおしくてたまらない。

「円堂」
「うん?」
「ありがとう」
「えっ…豪炎寺マゾだったのか…?」
「違うバカ」
「はは、分かってるよ」

円堂の頭がこつんと肩に乗る。円堂との沈黙は心地いい。


「豪炎寺」
「なんだ」
「俺と出会ってくれてありがとうな」
「何を今更」
「さっき豪炎寺も似たようなこと言おうとしたんだろー?」
「……まあ」
「俺にはお前の考えてることなぁんでも分かっちゃうんだからなー、なんて」

円堂がえへへと笑う。負けじと俺も「こっちだってお前のことなんかお見通しだぞ」と返すとそれはもう嬉しそうな笑顔を見せるもんだから

「大好きだよ、豪炎寺」

変だな。なんだか涙が出てきたじゃないか。


(お前のおかげで俺は今幸せだ)



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