朝から暑苦しさに目が覚め気だる気に起き上がる。
首のところが嫌に重かったが気にしないようにした。普段は、こんなに熱くはならない自分の体温が異常なくらい熱くなっている。
頭皮からこめかみへ、頬か、首筋へ伝う汗に嫌気が指す。
そして、首への重力は何なのだろうかと目を開けてみれば、謙也さんが居て俺に抱きつくように寝ていた。
「あ、したまんま寝てしまったんか。」
なんて意味はない一言を呟き、謙也さんのせいで暑苦しく目を覚ましたことに苛立ちを隠せない俺は、謙也さんの首筋にがぶっと噛み付いた。
「…んっ、」
起きてはいないようだが、反応はしてくれているみたいやなと思い先ほどより力を入れて噛み付く。
どんな反応してくれるんやろ、
「、った…痛いっちゅーねん!」
ばんっと抱き着いていた体を離し俺に言ってくる。どう考えてもあんた起きてはったやろなんて冷静に考えていれば謙也さんはぶつぶつ何かを言っているみたいやった。
「お前なー、普通ここはちゅーするところやろ…って以前に光が言ってたやないかい。せやのに首筋に噛み付くって何や!ごっつ痛かったんやで…」
痛いのが嫌いな謙也さんは涙声で俺の行動にけちをつけてくる。
あー、五月蝿い五月蝿い。
「黙れや、アホ!誰のせいでこんなに早く目を覚ましたと思ってんのや!殺すぞ」
「ちょ…光ちゃん?」
謙也さんは、久々に機嫌が悪すぎる俺を見たんかおどおどしていた。俺は、怒鳴ったことで気だるさと腰の痛みが増すのでさらに機嫌も悪くなる。
「光…堪忍な?」
謝るのは良い。それでも何に対して俺が怒っているのかとか、機嫌の悪さが頂点に達しているだとかを理解していないで謙也さんは、謝る。
それが嫌なんや、そんなことを思っていても謙也さんの鈍さは治らへんしどうにもならん。それでキレてたらいつまでたっても仲直りなんか出来へんのは百も承知や。
「、キス…してくれたら許してあげますわ」
俺が言うのと同時に謙也さんはキスをしてくれた。触れるだけのキスから舌が入りどちらのとも言えない唾液が混じる音が容赦なく自分の耳を犯す。ぴちゃぴちゃと、息もだんだんと繋がらなくなり荒くなる。これなんや、このときの謙也さんは、俺を理解してくれとる。だからこうやってその気になった俺に対し乳首を手で触ったり摘まんだりしてくる。
やっぱり、惚れたもん負けなんやな…と心の中で呟いた。
君の鈍さは、病気もの/0810