想像上の | ナノ




いま自分の目の前に想像上の妖怪が現れたらあなたはどうしますかなんて、雑誌に載っていた。どうするもなにも想像上だなんて確定しているように言っているならそんなの実現しないなんてことは頭で解っていても、考えてしまう自分はアホなんやろうな。

まあ、自分がアクションを起こすようなことは全くないのだが、きっと写真を撮って、ブログに載せて終わりやなと考えていれば、目の前には緑色の物体が居った。まさかと思いじっくりと見れば、普段から見とる顔で、内心がっかりしたのは言うまでもなかった。

「なんや、謙也さんっすか…」

それよりも何故に全身タイツを履いとるのかを問い詰めたい気分に駆られる。しかも緑色ときて、河童担当はホモだけで十分やねん!と突っ込みながら、へらへら笑って似合っとる?なんて聞いてくる先輩を見て、アホな謙也さんに、合っとると思いますよといってから席を離れ次の教室移動のために廊下に出る。

「なんやねん!もっと驚けや、ほんまおもろないな。」

面白くなくて結構なのだが、謙也さんに言われると苛立ちを隠せないで、だまれやヒヨコ頭なんてボソッと呟いて、移動をした。

膨れっ面をしている謙也さんを見て可愛く見えてしもうた自分は末期なんやろうか。
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