帝マネ没
2012/04/04 15:07
ちなみにGO
「うわあっ鬼道コーチのお弁当きれいですね!」
言われて鬼道は弁当に改めて目線を下ろす。
緑にオレンジに黄色に。彩りはなかなか鮮やかである。野菜や肉などのバランスも、あまり詳しくはないが、うまく整えてあるんだろう。
昨日だって弁当だったが、おかずは毎回違う。
ちょっとの間見つめてから、鬼道は目の前でキラキラした顔の松風を見る。
お弁当を覗き込む彼に、つられたように西園が近くにやってきた。
「わーっ本当だ、鬼道コーチのきれいですね!」
「美味しそうだよなっ」
うんうんと頷き合う2人に、鬼道は少し笑みを作った。
「…そう言うなら少し食べてみるか?」
「「えっ」」
「味は俺が保証する」
差し出すと、じゃあ、と遠慮がちだが松風が手を伸ばす。ありがちだが、玉子焼き。
ぱくっ、と消えてモグモグと口を動かす松風と、わくわくとして彼を見上げる西園。
面白くなって鬼道がサングラスの奥から目を細めると、肩に遠慮なく手を置かれる。
首を回すと、恨めしげにこちらを見てくる円堂と目が合った。
「いいよなー鬼道はなあー美味い弁当でなあー」
「…お前にはやらんぞ」
同年代は未だ敵だ。
既婚者とかは関係ない。
そう言わんばかりに冷たい鬼道に、円堂はムスリとしたまま言葉を続ける。
「けち」
「けちじゃない」
「けちだよお前は!いいじゃんイナズマジャパンの時は許してた癖に!」
「今と昔では違うだろう」
言葉の応酬に周りの生徒たちが目を丸くしているのを感じながら、鬼道はたたみかけるように口を開いて―――
「兄さん!キャプテン、じゃなかった円堂監督!」
「春奈」
「いい加減子どもの前でケンカするのはやめて!」
◎もういいや…あきお出ないし
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