ポケスペゴークリ
2012/04/30 23:26
「がっきゅーいいん」
今更ふざけた呼び名に、眉を寄せてゴールドを睨み上げた。
なんて言っても彼は私に背を向けて歩いているので、きっと私の不満は伝わっていない。両腕を頭の後ろに回してダラダラと歩くのは、いっそ見慣れた光景にすらなっていた。
「お前今日さあ」
「何よ」
「……、今日さあ」
もごもご。
いつもならバッサリハッキリ押しの、というより、我の強いゴールドらしくない躊躇いように、私も何だか不安になってきて彼の隣に並ぶ。
「何?」
のぞきこむとウッ、なんて奇声をあげて仰け反って固まる。思わず半目になる。
「あなたって本当失礼ね」
「お前が考えなしのお節介女だからだっ」
「はあ?」
口をひきつらせる。
「ゴールドあなたねえ」
「っあー待った待ったなし、こーいうの今日はなし!」
「え?」
ばっばと両手を振って、ついでに首も振って。それからゴールドは気まずそうに私を見た。
「…クリス」
「だからなに、」
「おめっとさん」
「……へっ」
ひょいっと差し出されたのは。
摘み取られたらしい、数本の花。
反射で受け取ってから考える。ゴールドが?私に?花?祝った?何で、って、あ。
「誕生日」
ぼそっと呟いてあらぬ方向を見据えるゴールドに、何だか顔が熱くなってきて、小さく手で仰いだ。
何を恥ずかしい事をしちゃうのよ。似合わない。
「…ゴールド」
「……おう」
「ありがとう」
でも。
確かに正確に、私の心は鷲掴みされていた。
―――――
クリス誕で合ってますよね確か!!!ポケスペのCPはゴークリから入りましたフウー!!!!!
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