文豪ストレイドッグス2 | ナノ


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私は太宰と喫茶処で思い出話に花を咲かせていた。

「いやぁ…あの頃の君は、もう少し感情豊かだったはずなんだけどねぇ?」
太宰は、珈琲を手に持ちそう発した。

「あの会社では、心を殺した方が仕事、しやすいですから。」
そういうと、確かにね、と笑った。

「太宰さんは、あまり変わりませんね。変なところも含めて」
太宰は少しいじけた顔をして、それどういう意味だい?なんて聞いて来る。
分かっているくせに、そういうところですよ。と私は言葉を返す。

太宰は穏やかに笑うだけであった。



……


「そろそろ戻ろうか。」


「はい。」

会計を済ませ店を出ると見知った、というべきか、懐かしいというべきか悩む顔と目が合った

「ゲッ…」

三人揃って同じワードを口にしたに違いない。

「太宰!なんで手前がここにいるんだよ!」

「私たちはお茶をしていただけさ。君こそどうしてこんな所にいるんだい。」

素敵帽子君こと中原中也は仕事だ!と言っていたが太宰は全く聞かず叶霧に気分悪くなっちゃったよーと話しかけていた。

「聞けよ!」

「嗚呼、まだ居たの。」

もうそこからは、いつも通りの押し問答。
どっちもどっちだというのに…

「手前は、あの頃からそうだ。」

「中也も大概だろう」

なんて話は双黒時代の話まで持ち込んだ。
あの時の作戦がどうだとか、あの時の行動がどうだとか。
二人とも、互いを身勝手過ぎると罵り合っていた。

私は堪らず声を上げた。
「二人共です!」

二人はえ?と一言云うとぽかんとしていた。


「お二人のせいで私がどれだけ迷惑を被ったと思ってるんですか!?」

二人はシュンとしていた。

「おかげで双黒の使いだなんて云われる始末です。」

「嗚呼、そんなこともあったねぇ。」

と昔を懐かしむように云う太宰。


「少しは反省して下さい。太宰さんが諸悪の根源なんですから。」

と私が云うと、中也は太宰を指さしケラケラと馬鹿にしたように笑っていたので

「中也、君も。君のせいで到着が遅れたなんて言い訳何度聞いた事か…」

中也は帽子を押さえ、すまん。とつぶやいた。

太宰はというと…

「でも、暴走状態の君を何度も助けただろう?」

「今、その話…しますか。」




……


時は遡り、太宰と中原が双黒と呼ばれていた時代、叶霧露香が双黒の使いと呼ばれ始める話


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