水をごくりと飲み干す君のノド。
―― 食ベタイ
美しい曲線を描き水を飲み干すそのノド。
首筋に犬歯を突き立て、かみつきたい。
ボクの刃で傷ついた肌から流れるその血を、赫い赫い美しい血を飲み干したい。
「ねぇ、頂戴…?」
そう、ボクがほしいのは、君の中から流れ出す、その血。喉を鳴らして飲み干して、君はボクの糧になる。
「あ……っ」
「なんで逃げるのさ?」
後ろ向きに後ずさっていく君の、君のその後ろにはもう壁しかない。壁に当たった君の、絶望した表情がたまらない。
クスクスクス……
「いっただっきまーす」
バイバイ、また今度。
End.
あとがき
そんな吸血鬼は、今日も無邪気に笑う。