第6話 


くじをひいた結果、つまりは新しい座席表が黒板に書かれていく。

カッカ、白いチョークが音をたてて緑色の黒板に線や文字を書いていく。

横に6席、縦に6席の合計36席。いまから書き込まれていく名前の配置によって今後の命運が決まる。

廊下側から数えて奇数列が男子の席で、偶数列が女子の席を割り当てられるらしい。

「あ、俺3列目の3番目だわ。」

「ほぼ真ん中か、意外と授業中寝れんじゃない?」

微妙だなぁと顔を歪める原田をよそに、私の名前はまだ書かれない。

窓際2列目に差し掛かってもまだ私の名前は書かれない、ということは。

「窓際列決定」

ふふふ、ラッキーとニヤニヤしてると後ろから二番目に橋本の名前。

そして窓際一番前に私の名前が書かれた。

「一番前かよ……」

あげて落とすとはまさにこのこと。

「ざまぁねぇな野村」

これは一番先生に見られないようで意外と見られている席である。中学の時に実証ずみの有力情報だ。

「の、野村さん!」

「はいなんでしょうか!」

しょんぼりと落胆していると、後ろから眼鏡をかけたまぁまぁ可愛い分類にはいる女の子が私の肩を叩いた。

「私目が悪いので席交換してください…!」

ものすごい形相であるそして必死である。目が本気と書いてマジである。

「席どこ?」

窓際後ろから二番目、です。だんだんと小さくなる声を聞いて黒板に目をやると、なるほどそういうことか。

「ほう…まぁ後ろのほうが嬉しいし、いいよ」

「ほんと?!ありがとう!!」

隣の席が橋本であった。つまり彼女は彼が怖いのだろう、視力の問題もあって私に頼んできたようだった。

眼鏡の女の子は先生にそのむねを伝えると、長野と野村の文字が入れ替わった。

「今日ついてる。」

「お前徹の隣か!」

「そうだね。いい席だ…とりあえず消しゴムを借りられる人と隣になれた。」

「まだそれいってんのかよ。」

「結構重要だよ?!」

先程私の頭をグシャグシャに撫で付けた橋本は、今自分の席を動かしているところだった。

私も動かすか、と橋本の隣に来れば一瞬目があっ彼がものすごい早さで黒板を見る。

「よろしくー」

「……おお」

ひらりと手を振ると、彼も少しだけ片手をあげてくれた。

穏やかな陽気、運命の席替え、風に待った入部届けの用紙。

「私松永 優菜、よろしく野村さん!」

それと、

「よろしくー!」

新しい友達。



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