男の先輩が去ったあと、次に顔を青くしたのは俺だった
なんだか二人は友達みたいだったし…出すぎた真似をしたのかも。もしかして名前さんを怖がらせたんじゃ…!!
「あ、あのっすんませ…!」
『ありがとうっ!』
「え……」
『助かったよ、あの子苦手だったから』
カッコ良かったよ赤也くん、と笑う彼女に対して俺は脱力
感謝されて嬉しい半面、必死になってしまった自分が恥ずかしくなってきた。だって…邪魔されたくなかったから
「い、今は俺が名前さんとデート中なんでっ!他の奴に邪魔されたくなかったっつーか…」
『…赤也くん?』
「ほ、ほんとは…いつでも…」
他の奴とはデートして欲しくないッス……と消えていった俺の声は、ちゃんと名前さんに届いたようだ
だってほら、名前さんは俺の制服を掴んで
『赤也くんだけだよ』
「っ……」
『私がデートしたの、今まで赤也くんだけだよ』
「ほっ……ほんとっ!!?……って、えぇっ!!!?」
それはつまり名前さんに彼氏はいない、てことか
未だに俺を真っ直ぐ見てくる彼女に、安堵したと同時に何かが駆り立てる
今だぞチャンスは
「俺……もう少し、名前さんのこと知りたいッス」
『あ……そうだね、私たち自己紹介もしてないもんね』
「ッス。切原赤也!立海テニス部2年レギュラーっ!!彼女はいませんっ!!!」
『3年の名前です、今は帰宅部。彼氏は…』
「俺っ!!!」
『え……』
「俺っ立候補しますっ!!!」
王道的な恋を
これから始まるロマンス
(……でね、曲がり角で会った男の子と仲良くなりたいんだけど…)
(そんなの押し倒してキスしたらいいよ、赤也は単純だから)
(えぇっ!!!?)
(精市、赤也と名前をいじめてやるな。そうだな…デートでもしてみろ)
(……?デートだけでいいの、柳くん)
(ああ、赤也は単純だからな)
(結局ね)
end
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蒲公英の指輪の斎槻様より相互記念作品として頂きました!
王道大好きですっ(´∀`)
廊下の曲がり角でぶつかるとかっ……ヨダレもんです。←
素敵な作品をありがとうございました。
これからもよろしくお願いします!
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