※主人公は立海生設定
「―――――………ってことで、どうよぃ?」
『えー…でもそれ知ったら赤也怒るんじゃない?』
「確かに…、これ聞いたら怒る…っていうか嫌がりそうだよな」
「んだよぃ、ジャッカル」
内緒話するように机を囲む私たち。
部活が始まる前の部室でのひとときだったはず、なんだけど。
『ちょっと可哀相な気がするよ』
「なんじゃ、お前さんは赤也の味方なんか?」
『味方とかそういうんじゃないけど…』
「いいじゃない、楽しくなりそうだし。俺はブン太の案に賛成だよ」
「赤也には悪いが、俺もその案に乗ろう。面白くなる確率、92%だからな」
「俺はどのような結果になったとしても、自分の役割を全力で全うするまでだ」
『精市、柳、真田までっ…』
「私も部長の幸村くんが決めたのであれば異論はありません」
『……はぁ』
もはやこの場で反対しているのは私とジャッカルだけで。
精市相手に反論するだけ無駄なのではないかと思った。
ああ、止められなかった私を許してね赤也。
恨むなら私じゃなくてみんなだからね。
すっかり丸く?収まったところで、勢い良くガチャッとドアが開いた。
「わーっ、遅れてすんませんっ!」
髪を振り乱して入ってきた赤也を、一瞬全員がキョトンと見つめて。
その後は「さーて、練習練習」と言いながら何事もなく部室を出ていくテニス部レギュラー。
あの真田ですら、いつものように「時間ギリギリとは何事か!」なんて言わずに部室から出ていった。
「え、え?どうしちゃったんスか?先輩たち…」
『…頑張れ、赤也』
「??ウ、ウス!未央先輩っ」
知らない方が幸せなこともあるって、昔誰かが言ってたよ。
とりあえず……ドンマイ、赤也。
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