意外な発言に沖田は拍子抜けし、はーっと長い溜息を漏らしながら神楽の首筋に顔を埋めた。言葉の意味を咀嚼すると、だらしなく緩む口元。……あァ、コイツは本当に。


「チャイナ」
「……ん」
「好き、でさァ」
「……ウン」
「本気だぞ」
「ウン」


自分の頭を抱く神楽の腕を片手で解き、橙の髪に手を差し込み頭を引き寄せる。


「……ちゅーして、い?」


一瞬瞳を動揺に揺らしたものの、神楽は静かに目を伏せた。


「……いい、ヨ」



──そこからはただひたすらに求め合った。吐息も体温も共有して、溶け合うまでにすべてを重ねる。湿った熱は沖田の欲情を駆り立てるも、比例するようにぼやける視界。昂ぶりは熱に呑まれ、小さな体躯にどさりと倒れ込むように肌を合わせた。



「くっそ、しんど……」
「オマエ汗だくでキモイアル。……濡れタオルかなんか貰ってくるからさっさと退くヨロシ」
「ん……、もうちょいこのまま」


神楽の肩口に顎を置き、荒い呼吸を繰り返す。それでも自分を抱き締め放さない沖田の柔らかな蜂蜜色を、神楽は愛おしそうにその手で撫でた。


「……サド」
「こんなときくらい、それは止めろィ」
「……そー、ご?」
「ん。……何?神楽」


交わる視線は穏やかでありながら何処か熱情を秘めている。しかしお互いそれ以上を求めず、ただ指先に相手を感じた。



「好きヨ」



そう言って微笑む神楽は、月光のように儚げで美しかった。


「っ……、テメ、犯すぞ……」
「黙って寝てろ、ぶわぁーか」


絡めた指はそのままに、二人は深い眠りに就く。この場所が真選組屯所だということは、もう頭の片隅にさえ存在していなかった。




熱愛
(ここに発覚)



(総悟ー、具合はど、うえぇぇぇ!!?)

(近藤さん!?どうし……、な゙!?)

(すいまっせーん。神楽迎えに来、……い、いやぁぁぁぁぁぁ!!)










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