※2年後ショック色々捏造
※イボじゃない






「頼むっ!総悟……、いや、カイザー!!」


床に額を叩き付けんばかりに激しく土下座をするのはゴリラ、もとい真選組元局長、近藤。それを見下ろし一切の表情を持たず玉座に座すは、2年前の面影などまるで無し、真選組局長であり皇帝とも呼ばれる青年。蜂蜜色と瞳の臙脂だけは変わらず彼を主張する。


「……近藤さん、止してください。私は貴方のそんな姿、見たくはありません」


などと言いながらも玉座から下りないのは、彼の性分故なのか。風貌を異にした沖田総悟(皇帝)、しかしサディストであることに変わりは無かった。


「いや、今回ばかりは断りきれなかった俺が悪い。とっつぁんの命令だからって、今のお前には大問題だろ」


近藤は正座のまましゅんと眉を寄せ、おおよそ可愛いとは言えない顔を上げる。ばつの悪そうに沖田を見つめ、その重い口を開いた。


「チャイナさんに申し訳ないじゃないか。……キャバクラ、行くなんて」


近藤の口から出た名詞に、沖田は小さく笑みを漏らす。2年の間で変わったのは、沖田自身だけではなかった。


「姐さんの処でしょう、なら問題は無い筈だ。それに神楽は、そんなことじゃ怒りはしない。俺のことをよく解っていますから、ねィ」


沖田はまた喉で笑い、セットされた髪を片手で乱す。気持ちが昂ぶったときに口調が戻る癖に、本人は気付いていない。鋭い目付きは柔らかに色を見せ、隠しきれない緩みは口元を曖昧に歪ませている。


「……幸せそうだな、総悟」


近藤は羨望の眼差しで沖田を見るも、すっかり自分の世界へと旅立った男に哀れなゴリラの姿は最早見えていなかった。






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