12/07/24(火)
▼みんなロリコン

神楽はどうやら、真選組連中に好かれちまっているらしい。
「む、おっ」
「っ、大丈夫か」
「ウン。ありがとトッシー」
転びそうになった神楽を抱き止める鬼の副長こと土方くん。微妙な赤面でロリコンは確定だ。
「あ、副長ォ!こんな処、に……」
「ジミー」
「チャイナさん……、え、副長……」
「…………」
「あ、そうだチャイナさん。これ、良かったら」
「ふおお、酢昆布!くれるアルカ!?」
「はは。たまたま貰って」
と、レジ袋をポケットに突っ込み照れるジミーくん(名前なんだっけ?)。 目立たないながらにしっかりアプローチはするんだね。多分神楽は気付いてないだろうけど。
「チャイナぁ」
そして一番分かり易いのはこの子だよね、うん。
「んだヨサド」
「酢昆布でも何でも、俺がもっと買ってやらァ。んで、その後楽しいことシようぜィ」
「……総悟」
「隊長、アンタ……」
「なんか顔がキモイアル。私に近寄らないで」
「………」
どうもあからさま過ぎて嫌がられているようではあるが、破壊活動が減った分家計の負担が軽くなったという訳で。しかも沖田くん本人も神楽のゴミを見るような視線にうっとりしちゃってるみたいだし、幸せそうで何より。マゾに転向おめでとう元サディスティック星の王子様。
「神楽ァ、帰るぞ」
「銀ちゃんっ!!」
黒服に囲まれた小さな背中が振り返る。無邪気に笑うその顔に、まだまだ男なんざ早ェよ。
「旦那」
「……万事屋」
飛び付いてきた神楽の頭を撫で、鋭く此方を睨む二人+狼狽える地味に口角を上げて見せる。少なくとも今は、保護者として害虫駆除は頑張んねーとな。
「今日はすき焼きすんぞ、すき焼き」
「きゃほォォォ!太っ腹ネ銀ちゃん!!」
大好きアル!なんていう言葉に過剰反応する野郎共を余所に、俺は受け流すフリで勝利宣言。地球のパピーは強し、だ。
「それじゃ、お仕事ご苦労さんですお巡りさん達。……ロリコンはどうかと思うよー?」
「っあ゙ァ!?」
騒ぐ副長さんを背に、神楽のすき焼き談義に適当な相槌。馬鹿な子程可愛いってのはよく言えてるよな。俺はロリコンじゃねえけど。

「旦那も人のこと言えないんじゃ……、って、副長?」
「……山崎ィ。チャイナ娘はいくつだ」
「え?」
「十四でさァ」
「……そうか」

お二人とも思い詰めた様子だったんで、くれぐれも気を付けてくださいね旦那。──後日忠告してきた山崎くん(名乗られた)を軽くあしらった直後、バズーカ砲によって吹き飛ばされた瞬間を俺は憶えている。

「おらよ、見舞いだ」
満身創痍の状態でマヨ丼を食わされた俺の入院は、見事に二週間延びた。




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