D・ホイールと共に
私とウエストが外に出ると、クラーゾおじいが頭を抱えていた。
「マルコムファミリーとラモングループの争いがいよいよ本格的になってきおった。」
『はぁ…?』
D・ホイールと共に
あまり興味がなかったのでよく知らないが、ここクラッシュタウンでは、マルコムファミリーとラモングループが鉱山の権利をめぐって争っているらしい。
あー、サテライトでもデュエルギャングがエリア争いしてたもんなー…
最近その争いが激化しているらしく、クラーゾおじいは、一人ではあまり外を出歩くなと忠告した。
『おじい、こんなときにニコがいないの。…心配だから秘密基地を見てくる。』
「なんじゃと!?」
町には雇われデュエリストが増えている。
ニコが争いに巻き込まれているかもしれない。
私はウエストをクラーゾおじいに預け、秘密基地に向かった。
『ニコ!!』
「ろじこ!!」
秘密基地にニコはいた。
どうやら外に雇われデュエリストが多く出歩いており、それが怖くて秘密基地から出られなかったようだ。
ニコが無事で良かった。
その日はウエストとニコを私とおじいの家に泊め、翌日の朝に2人を家に帰した。
「そろそろ頃合いじゃの。」
『え?』
クラーゾおじいは私のベッドの下をごそごそと漁り始めた。
『ちょ!おじい!やだ、私のベッドの下を探しても何もないよ!きゃーきゃー!』
「うるさいのぅ。…ほれ。」
なんと、ベッドをのけると地下への階段が現れる。
『!!』
「知らんかったじゃろう?お前がいつもアホ面で寝ている下には階段があったんじゃよ!」
『うわあああこれが本当の秘密基地よね!!』
私とクラーゾおじいは地下に下る。
『これは…!!』
地下部屋には、1台のD・ホイールが停めてあった。
「これはお前の父親のものじゃ。そしてこのD・ホイールで事故に遭い、母親と共に命を落とした。」
『!!』
「だから、わしはお前にはD・ホイールに興味を持って欲しくなかったんじゃ…」
ごめんね、おじい。
血は争えない。
ライディングデュエルをすふるため、またクラッシュタウンは鉱山の争いで危険であることもきっかけとなり、私たちはシティに引っ越すこととなった。
私はニコとウエストに、シティへ引っ越すことを伝えに秘密基地へ向かった。
『ニコ、ウエスト。私ね、ライディングデュエルをするの。シティへ引っ越すの…。今までありがとう、また遊びに来るから…』
「ええっ!ろじこも行っちゃうの?」
「最近ろじこがここに引っ越してきて仲良く慣れたのに…寂しくなるわね…」
『ウエスト…ニコ…』
ウエストとニコの父親は鉱山の仕事でクラッシュタウンを離れることができない。
有名なD・ホイーラーになることを、二人は応援してくれた。
絶対にシティで活躍するからね…!!
私は志を胸に、クラッシュタウンを後にした。
+continue+
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