My Hero!




なんでいつも私の危ないときに現れるの?












My Hero!










『京介!!』
「大丈夫か、ろじこ!!」



京介は私を掴んでいたシドの手を離す。



「状況はなんとなく読めたぜ!俺の女にだけでなく、ダチのD・ホイールにも手を出すなんざタチの悪い野郎だ!」
「なんだてめえ!」
「はっ、ただの死神だ…てめえを地獄に送ってやる!!」



京介はデュエルディスクを構える。
そしてシドもデュエルディスクを構えた。



京介はシドを下し、その間にジャックも取り囲む男たちを次々と倒していたようだ。



「ちっ!そうやすやすと負けてやるかよ…!」
「まだやるってのか!しつこい野郎だぜ!」
『…無駄よ。』



シドの背後から、サイレンが鳴る。



「お前は完全に包囲されている!!」



シドは牛尾さん率いるセキュリティに逮捕される。

D・ホイールも、トオルの元れ送り届けられるらしい。
良かった良かった!



「ありがとうごぞいます。アトラス様、ろじこさん。」
『深影さんもお疲れ様です。牛尾さんも。』
「ああ、無茶しねーか心配だったが、さすがだな。」



京介の姿がいつの間にか消えている。



「鬼柳のやつ、どこへ行った?」
『相変わらずセキュリティ嫌いなんだから…』
「会ったら俺が礼を言っていたと伝えてくれ。」
『うん。』



ジャックと別れ、私は京介の姿を探した。

京介はすぐ近くに、海風に吹かれながらブロックに座っていた。



『きょーーーたん。』
「おう、ろじこ。セキュリティはもう行ったか?」
『相変わらずのセキュリティ嫌いね?ジャックがお礼を言ってたよ。』
「礼には及ばないさ。」



京介の、こういう仲間想いなところに毎度惚れ直す。



『ねぇ、サテライトにいたとき、前にも同じようなことあったよね!』
「あったか?」
『うん。でも今回はすごいね!クラッシュタウンから駆けつけてくれるなんて!』
「あ、あぁ…。」
『?』



京介が珍しく、少し口ごもる。



『どうしたの?』
「そ、その…あれだよあれ。」
『え?何?』
「お前が…」
『私が…?』
「何か…お前がいないと落ち着かねえんだよ…!」
『!!』



そっぽを向いて頬を掻く京介が可愛すぎて。



『好きーーー!!!』



思わず京介に抱きついた。



「っていうか、本当、お前の周りは絶えず事件が起こってるな。遊星といい勝負だぜ…」
『はは…』
「気をつけろよ?お前、今回みたいに変な奴に絡まれるの何回目だよ。」
『あう、ごめんなさい…』
「ったく、気苦労が絶えないぜ…」
『老けるね。』
「誰のせいだよ。」



わざと大きなため息をついて、私の頭にポンと手を乗せる。


今日は、帰したくないなぁ…



『よし、京介をうちのマンションに連れて帰っちゃおう。』
「まじかよ!」
『わーい!お持ち帰り!』
「ちょっと待てよ、お前のじいさんもいるだろ!?」



…なんやかんやで、京介とクラーゾおじいが顔を合わせるのは今回が初めてだ。



手土産やら挨拶やら、そわそわし始める京介に苦笑いし、手を引いてマンションに連れて行くのであった。






+fin+




[ 14/20 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -