サティスファクション!




今度こそ、離さないし、離れない。












サティスファクション!













「お前ら出てこい!!」


ロットンが大声で叫ぶ。

京介は私を庇うように一歩前に出る。


緊迫したシーンだが、私はその一歩前に出た京介にトキメキすぎて、もうどうでもよくなっていた。


しかし、街は静まり返り、誰一人出てこない。


「ど、どうなってんだ!?おい、聞こえているのか!?」
「はいは〜い、聞こえてますよ〜。」
『この声は!』


建物の影からクロウが現れる。


「クロウ…!」
「いや〜さすがに大人数を相手にすると肩がこるぜ。」
「ふん!この程度で肩こりだと!?たるんでるぞクロウ!」
『!!』


クロウと反対方向から、ジャックが歩いてくる。


「こんな烏合の衆で戦争とはな。片腹痛いわ!!」
『ジャック!!』
「フハハハハ!聞いたぞろじこ!お前サテライトを出たと思ったらこんな辺鄙な街でニートをしてたとはな!」
『うるさーい!昨日まで山の中でちょー肉体労働で働いてたわよニートはあんた!!』
「ただの奴隷だそうじゃないか!ハハハハハ!」
『ぐうの音も出ねー!』


そして、ゆっくりと遊星かロットンに近づく。


「どうやら決着が着いたようだな。…観念しろ、お前の手下は俺たちがすべて片付けた。」
「遊星…!」


かつての仲間が全員揃った…!





「最高だぜ!チーム・サティスファクションの復活だ!!」





「くそっ…!」


ロットンは私たちの場所から走り去ろうとする。


「あっおい逃げる気か!!」


京介が叫ぶが、ロットンは止まらない。


「おっと、こっちも行き止まりだぜ!」
『トオル!ミサキ!』


ロットンの目の前に、トオルとミサキが立ちふさがる。


「人の故郷で好き勝手しやがって!逃がすわけにはいかねーよ!」
「潔く諦める…悪者の、美学。」


逃げ場を失ったロットンは、へなへなと座り込んだ。


「よし!今日からこの街は自由だぜ!!」
『やったね!!京介!』


私は思わず京介に抱きつく。
京介も嬉しそうに、私の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。

遊星やジャック、クロウも満足そうな顔をしており、なんとなく初めてサテライトを統一したときを思い出した。



「お前らのお陰て悪人どもを逮捕できたぜ、感謝する。」


この戦争の首謀者たちは、セキュリティに逮捕される。
牛尾さんは、私と遊星にお礼を言う。

京介はセキュリティがやはり嫌いなようで、ニコとウエストのところへ、セルジオおじさんのことやクラッシュタウンの戦争が終わったことを伝えに行った。


「牛尾くん、急ぎなさい!置いて行くわよ!」
「あっ、はい!…さて、これからが忙しくてな。一足先に失礼させてもらうぜ。」
『牛尾さん!早く深影さんの瞳も逮捕できたらいいね!』
「うるせーよ!」


牛尾さんたちが去って行ったあと、ちょうど京介が帰ってきた。


『京介…ウエストたちは…』
「さすがにショックを受けてたぜ…」
『そっか、セルジオおじさん…』


そして京介は、ニコとウエストは自分が引き取ると言った。


「今までの罪滅ぼしだとか、オッサンに頼まれたからとか、そんなんじゃない。…この街が、あの二人が、俺の生きる希望だからな!」
『京介…』
「鬼柳。」


希望に満ちた京介に、私と遊星はかつてのリーダーの顔を見た。


「そして、ろじこ。」
『はっ、はい!』


急に名前を呼ばれて驚く。

京介は真剣な目で私を見るので、私は何も言えなくなる。
そして京介は、私の手を握った。


「今まで悪かった。いつもいつも、急にろじこを一人にしちまった。」
『いや、そんな…私こそ、京介の辛い時に一緒にいれなくて…ごめんね。』
「これからは絶対に一人にさせねえ。」
『…!』
「ずっと俺と一緒にいてくれ。これからは、どんな時でも二人で生きて行こう。」
『京介!うん、うん…!』
「これで…満足したぜ…」


私は涙を流し、京介の手を強く握り返した。
京介も目を閉じ、安堵のため息をもらした。


「もう大丈夫だな。…街も、子どもたちも、そして鬼柳とろじこ、お前たちもな。」
『ふええゆうせぇ、大丈夫だよおぉ…もう、もう…』
「あーもう泣くなよろじこ!お前どんだけ俺のこと好きなんだよ!」
「はは、オアツイこった。良かったな、ろじこ!やっと鬼柳が落ち着くってよ!」
『クロウ〜〜〜!』
「えっクロウなにその言い方俺が遊びまくってる男みたいじゃね?」
『遊んではないけど弾けてたもんね…おへそ出したりハーモニカ吹いたり。』
「おいそれは言うなよ。」
「ふん、世話の焼けるやつらだったな。」
「お、おう、悪かったよジャック。」
『くすん……ふ、これで私には専業主婦という肩書きができたわよ。ニートはジャックだけね。』
「何だと!!」


私たちは、遊星、クロウ、ジャックに祝福され、ようやく一つになることができた。

京介と一緒に、私の故郷だったクラッシュタウンを救って、そしてチーム・サティスファクションが復活するなんて。



「遊星、クロウ、ジャック。またいつでも遊びにこいよ。新しく生まれ変わった街…クラッシュタウン改めて、サティスファクションタウンに!!」
「ああ、楽しみにしている。」
「おお!どんな街になるか期待してるぜ!」
「サティスファクションタウンか。ふん、この俺を満足させる街にするんだな!」
『え。ちょっと。』
「…なんだよろじこ?」
『京介、私の故郷のクラッシュタウンが……サティスファクションタウン?!何その名前!!やだやだ!』
「うるせー!異論は認めねぇ、今日から俺が町長だっ!!」
『んな無茶苦茶なーーー!』





いろんな運命に翻弄されながら、離れたり近づいたりしてきた。

これからは

ずっと2人で…



この、サティスファクションタウンで、生きていく。


+Happy Ending+




[ 10/20 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -