過去へ!よみがえる記憶、チームの絆*3




『京介!私は京介がいるだけで毎日満足よー!』
「はっ、相変わらず馬鹿だなー、お前は。よしよーし。」
『わんわん!きゃんきゃん!』
「あはは、犬かよ!」

ねえ、そんな風に笑ってたね。











過去へ!よみがえる記憶、チームの絆*3











『んーまぁデュエルではねぇ』
「満足してないよな?…だったら他のデュエルギャングの収めるエリアにもっと攻め込まなきゃなんねぇな!」
『サテライト統一の夢ね!』
「そうさ、エリア争奪戦を生き残りサテライトを統一するのは、俺たちチーム・サティスファクションだぜ!」
『うぇーい!』
「次のエリア争奪戦の前に、俺がデュエルで調子を見てやるぜ!」
『夜のライディングデュエルで?任せて、私の腰の調子は万全よ!』
「痴女かよ!」


健全なデュエルをし、京介は満足そうな笑顔を私に向ける。


「お前の調子も良いみたいだし、次の争奪戦は明日に決めたぜ!」
『よーっし、勝とうね!』


私は京介の手を繋ぐ。
京介はその手を握り返し、私を連れて京介のアジトに向かった。

私は京介と一緒に住んでたんだ。

少しずつ思い出す記憶。

私は京介と、チームの仲間と、このサテライトで笑い合い支えあってきた。


『ねぇ京介。』
「なんだよ。」


ベッドに2人で寝転がる。
もちろん大事な争奪戦の前夜なので、健全に、こう…服もちゃんと着てるし…


『私ね、ずっと眠ってた気がするよ。』
「そうか?」
『うん、知らない組織にいてね、操られるんだよ。記憶がなくて、遊星たちのこと、京介のことも忘れてるんだよ。』
「なんだそりゃ。」
『変だよね。でもね、そんな変な夢から覚めることができたの。私たちは、きっと、バラバラになっても離れてても、チームだったんだよ。絆が私を夢から覚ましてくれたんだよ。』


あぁ、あの変な夢を、アルカディアムーブメントの傘下にされる夢を思い出す。
この場所に戻れて良かった。
だからまた、みんなのことを忘れてしまうのは怖い。

軽い頭痛を感じた。


『私たちは、チーム・サティスファクションだもんね。』
「ああ、そうだぜ。」
『いつまでも仲間よ。』


私は京介の方を向き、眠りについた。


「…ばるこー。」
『うん?』
「ムラムラしてきた。」
『?!』
「こんなんじゃ寝れねーよ。明日のエリア争奪戦で満足できねーよ。」
『え、京介。さっき私すっごい真面目な雰囲気で話してたじゃん。』
「おう。」
『どのタイミングで勃ったのよ。』
「まぁ割と序盤だ。」


信じられない。
私がアルカディアムーブメントの夢とかチームの絆について語ってるときに、すでにこいつの頭の中はやらしーことでいっぱいだったということね。


そんなことをいう私も、久々の京介を肌で感じることが嬉しくて、応じてしまうのだけれど。



次の日。


『睡眠的な意味ではまじで不満足だわ…』
「おいおいばるこ大丈夫かよ?そんなんじゃ相手チームに負けるぜ?」
『クロウはいつでも元気ね。』
「まぁ鬼柳も元気だけどな。」
『確かに。』


寝不足気味の私と対処に、スッキリとした顔を見せる鬼柳に、疲れという文字は見えなかった。

男の人ってどんだけ夜がんばっても次の日元気だよなー…
出した直後の賢者タイム?っていう時間はまじで元気ないくせに。はは。


「チーム・ブルー&ブラックのヤツらがこのビル内に潜んでるのは間違いねぇ。見つけたら、一人残らずブッつぶせ!」
『よっしゃきた!頑張るわよ!』


ジャックと遊星はビルの地下を探しているらしい。
鬼柳は上の階、私とクロウは1階を探すことになった。


「存分にデュエルしようぜ!」
「『おー!』」


チーム・ブルー&ブラックのメンバーはどこかに隠れており、なかなか姿を見せない。


「なかなか見つからないな…どっかに隠れてやがるのか?」
『ここは手分けしよ、私はあっちのほう見てくる。』
「おう、じゃぁ俺はこっちの階段のほうだ。」


クロウと分かれ、私は階段と反対方向の部屋ゆ廊下を調べた。


『ここはダンボールの山ね、こんなとこにいたり…あ。』
「…クソっ」


見つけた。


「べ、別に怖かったわけじゃないぞ!…お前、弱そうだな。よし、デュエルで相手してやるよ!」


何だこの人。
隠れてビビってたくせに私を見るなりデュエルする気になるとは気に食わない!


『見た目で判断すると痛い目みるわよ!あと私に惚れたらヤケドするわよ!かかってきなさい!』
「何だこいつ!軽くひねってやるよ!」


軽くひねってやりました!

あーやだやだ自分が強いと思ってるやつは、なんて言い残しギャングはどこかに行ってしまった。


「お、一人倒したのか?」
『クロウ。うん、ダンボールに隠れてた。結構わかりにくいところに隠れてるみたいね。』
「まだこの階にいるかもしれないな。俺はもう少しこの階にいるぜ!」
『そう、私は上の階に行ってみようかな。』


私は上の階へ上がった。階段を上るとすぐ、鬼柳の声が聞こえてきた。


「ばるこ!」


京介の声がする方へ走ると、なんと京介はロープで軽く縛られていた。


「おや、お仲間の登場だぜ。」
『京介、何してんの。やだロープなんかで縛られてそういうプレイ?私のためにその格好で待ってたの?ありがとう。』
「ちげーよ!」
『じゃーなに?』
「後ろから急に襲われたんだよ。コノヤロウ!正々堂々デュエルしやがれ!」
「知るかよ。油断するやつが悪いんだよ。」
『ふぅん…まぁあれよね、うちのリーダーに卑怯な手を使ったのは許せないな。』
「コイツを助けたければ、俺にデュエルで勝つんだな。」


京介をあざ笑うように見下しているこのギャング。
私の男になにするんだこいつ!

『縛られた京介にはそそられるけど、京介にそんなことしていいのは私だけよ!腹立ってきた!』
「ばるこ…もうどこからツッコめばいかわからねぇ!」
「お前も一緒に捕まえて縛ってやるよ!」
『ばかやろう!私にそーゆープレイしていいのは京介だけよ!』


私はデュエルディスクを構えた。

後ろから襲ったとき、もし何かあったら京介は怪我をしてたかもしれない。
確かにこのサテライトは危険と隣り合わせではあるが、京介にもしものことがあったらと思うとこいつは許せない。


『次私の男に手を出したらまじで許さないわよ。』


私はデュエルでギャングを負かし、京介の元へ駆け寄った。


『京介、大丈夫?!』
「あぁ、すまん、ばるこ。」
『怪我してない?』
「あぁ、大丈夫だぜ。」
『縛られてる京介…いいね、写メ撮っていい?』
「やめろよ、早く解けよ!」
『えー…まぁ、そんなことしてる場合じゃないもんね。』


私は仕方なく京介のロープをほどいた。
そうだね、このお楽しみはまた後日ね。


「ばるこ、俺はこいつとケリをつけるぜ。」
「おう、ウッカリ野郎、かかってきな。」
「お前は俺を怒らせたぜ…!」


ウッカリ野郎…ははは。

私は京介が先に行ってろというので、さらに上の階段を上った。


「ひょっとして相手チームの人?みんなもう負けちゃったのかな…?」


部屋から現れたのは、イツキくらいの小さい子供だった。


「だとしたら、ボスの僕が戦わないわけにはいかないよね。チームのみんなにも怒られちゃうし。」
『あなたがボスね。小さい子供ほど実はめっちゃ強い、そして黒いというのが敵キャラではあるあるだからな…これは油断できないわ。』


そんな感じで挑んだデュエル。
相手のデッキ枚数を削る戦略に苦戦しそうになるも私はそうダメージも受けず勝利した。


「あ〜あ、負けちゃった。君って強いね〜。」
『どんなもんよー!』
「僕、みんなに強いって言われてボスになったけど、向いてないや…それじゃぁ僕帰るね、ばいば〜い!」
『え、あ、ちょっと!』


何、あのひょうひょうとした感じは!

それから私はクロウ、ジャックと合流し、アジトへ戻った。


「これであのエリアも俺たちが制圧した!」


京介が笑顔で喜ぶ。
そう、私はその笑顔のために頑張っているのだ。


「まさかボスが子供だとは思いもしなかったけどな!」
「子供でもボスはボスだ。実力はあったんだろう?」


クロウの言葉に、京介が返す。
それから京介は私の方を向き、また笑顔でねぎらいの言葉をかけてくれる。


「だとしても、お前は勝ったんだからな、それで十分満足だ!」
『うん、勝てて良かったよ!』
「…鬼柳は敵に捕まったと聞いたが、大丈夫なのか?」
「あのヤロウ、いきなり後ろから襲ってきやがって!まったく卑怯な奴だったぜ!」
『そうよ。聞いてよジャック!京介ったら敵に捕まった挙句なんか縛られてたんだから!全く卑猥だよねー!』
「卑猥なのはお前の思考だばるこ」
『えっそんなジャックー!』
「まぁとにかくだな、そのくせデュエルはてんで雑魚だってんだから笑わせるぜ。」
「それで徹底的にやっていたのか。」
「卑怯な奴を、正々堂々デュエルで完膚なきまでに叩きのめしたまでだ。」


鬼柳と遊星の会話にクロウが、正々堂々ねぇ…と口を挟む。


「なんだよクロウ!」
「いや、相手がかわいそうだと思ってよ。鬼柳に叩きのめされたらたまったもんじゃねぇからな。」
『そうね、京介におしりとか叩きのめされたら…たまらないわ。』
「「そういう意味じゃねーよ。」」

「なんにせよ、もう少しでサテライト統一だ。油断はしない方がいい。」


ジャックの言葉でみんなの顔が締まる。
私の顔は京介との叩きのめされSMプレイの妄想で頭がいっぱいで緩んだ顔のままだった。


明日また京介が次の対戦相手の調査をしてくれるらしい。
私たちは、今日はもうゆっくり休むことにした。


サテライト統一、みんなの夢、京介の夢、私は絶対に叶えてみせる。


+continue+




[ 7/42 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -