支配者たる竜の巣窟




『ジャック!』
「こんなところで何をしているんだ?」
『うーん、何て言ったらいいのやら…』












支配者たる竜の巣窟










とりあえず私はジャックに、京介に部屋を見てこいと言われて来たら、クロウと遊星が来て、デュエルをしたらすぐいなくなってしまって、不思議に思っていた、という旨を伝えた。
案の定、ジャックは興味なさそうにしている。


「ふん、知らんな。」
『まぁジャックはそう言うと思ったけども。』


これまで不思議なことが起こりすぎて気づかなかったが、まさかジャックまでサテライト時代の服装をしているとは!


『てゆーか、ジャックなんで満足ジャケット着てんの?』
「うん?いつものことだろう。」
『そう…?』


変なの…


『それで、ジャックは何しに来たの?』
「そんなもの、お前を頂きに来たに決まっているだろう?」
『決まってねーよ。』


やっぱり今日みんなおかしい!
みんなが私のことを好きすぎて、おかしい!!


「このジャック・アトラス様のためにそんな格好をして来たのだろう?」
『ち、ちがっ…!』
「ふ、しかしセーラー服とはな。俺もスーツでも着た方が良かったか?」
『何、禁断の恋愛プレイでもするつもり?』
「俺のことをジャック先生と呼んでもかまわんのだぞ?」
『呼ばんわ!!』


ジャックは高笑いをしながらデュエルディスクを構える。


「デュエルの授業だ、ばるこ。負けたら…そうだな、俺が補習をしてやろう。内容は秘密だがな!」
『とんでもない教師ね!負けないし!』





ふぅ、なんとか勝った…!


『ジャック、あんたの好きには…って』


やはり、ジャックはいなくなっていた。


不思議なことばかり起こるもので、デュエルが終わるとみんないなくなる。


何なの…





「ばるこ。」


名前を呼ばれ、ふと振り返る。


『京介!』


私は部屋の入り口に腕を組んで立つ京介に寄る。


『京介、部屋を見たら変な黒いモヤモヤがあったけど、消えたみたい。多分もう大丈夫よ!』
「…ばるこ。」
『…京介?』


表情から、京介は怒っているととれる。


「お前、何してたんだよ。」
『…!』


え、さっきまでのクロウや遊星、ジャックとのやり取りのこと!?


別にあれ私は悪くなくない!?


京介怒ると容赦ないからなー…どうして鎮めようか。

私は冷や汗をかくばかりであった。


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