飛翔伝説・序章




「クロウ!」


私の目の前には、クロウが立っていた。
よく見ると満足ジャケットを着ていて、懐かしい。











飛翔伝説・序章










『クロウ?なんで満足ジャケット着てるの?懐かしくていいね!でもどうして?』
「何言ってんだ、ばるこ?俺いつも着てるだろ?」
『え?』


着てないよ。
私がアルカディアムーブメントから戻って久し振りに会ったときには、普通のジャケット着てたじゃないか。
あの時は、クロウもやっぱり年頃の男の子というか、やっぱりファッションとか気になるもんねー、と改めて思った。


「てゆーか、ばるこの方こそ何でセーラー服なんだよ。」
『いや、これは…今日はそういう気分なのよ。』
「お前絶対コスプレ癖あるだろ。」
『な、ないし!クロウだっていろんな私が見れて楽しいでしょ!』
「あのなぁ…俺、もう耐えらんねーんだけど。」
『え!』


そ、そんなに?
クロウにまさかの、愛想尽かされた!?


ガーン、とショックを受けて黙る私。

そんな私の肩を、クロウはがしっと掴んだ。





「頼む!ばるこ、1回だけ!なんなら先っちょだけ!」
『……え。』



1回だけ…?



先っちょだけ……?


『クロウ、おま…!!』


馬鹿野郎だよこいつは!


『ばっかやろー!何言ってんのよ!え、何、今までそんな目で見てたの!?』
「ばるこが悪いんだからな!ちくしょー、毎回そんな格好で懐かれる俺の気持ち考えろよ!」
『だ、だって…』


だってそもそも、クロウは私にやらしい意味で興味は全くなさそうだと思ってたし…


でも…


とりあえず、さっきの言葉は許してはいかんな。


『うぅ…クロウ、覚悟ーーー!』
「うお!?」



私は問答無用でクロウをデュエルで下す。


『ふん!そんな簡単には股は開かないわよ!』


しかし、さっきまでいたクロウがいない。


『…え?』


あれ?声もドアの音も聞こえなかったのに?


おかしいな?

私は部屋を見回す。





「ばるこ、何をしてるんだ?」


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