絆の力、光差す道へ!
「馬鹿な!シグナーの力も持たぬ者がなぜこれだけの力を!?」
『終わりね、ゴドウィン!』
「だが所詮は人間の力!我の力には及ばん!!」
絆の力、光差す道へ!
「アザが…!」
デュエルでは勝ったが、ゴドウィンは私を神の力で消そうとする。
しかし、アキが叫んだように、シグナーそれぞれにアザが戻ってくる。
そのアザはひとつになり、私の胸に現れる。
「なぜだ!赤き龍は私を選んだのではないのか!」
「違う…絆を選んだんだ!」
遊星が口を開く。
『シグナーのみんなの力が私に力を与えてくれた!』
「俺たちのこの絆が運命を越えていく!そしてその果てに、未来は変わる!」
「そんなもの、我は認めん!!!」
ゴドウィンはまだ分からないようだ。
「ばるこ。」
『遊星。』
「今のお前には、赤き龍の力が宿っている。ゴドウィンに、俺たちの絆の力を伝えるんだ!」
『うん…!』
私は、ゴドウィンに立ち向かう。
地縛神は、もはや怖くない。
私の人生、いつだって主人公は私だ。
こうして私が対峙するのが神の力であろうと、きっと私は勝てるんだ。
もう一度、私の胸の赤き龍のアザが光った。
「終わりだ!シグナーではない者よ!お前の大切な絆は破壊される…疾風の暗黒騎士ガイアを攻撃だ!」
『させない!疾風の暗黒騎士ガイアはサティスファクション、精霊世界、みんなの絆をつなぐ大切なモンスター!攻撃宣言時、私はリバースカードオープン!"収縮"!』
ゴドウィンのモンスターの攻撃力は半分になる。
『ただの返り討ちじゃないわよ!私はさらにこのダメージステップで罠を発動!悪鬼蹂躙!』
京介とのデュエルのあと、京介は闇に包まれて消えてしまったが、彼のデッキは残った。
いつかまた会えることがあれば…会えることを願って、いつでもデッキを返せるよう、それを私は手元に置いておいたのだ。
悪鬼蹂躙はその中のカード。
へへ、秘密で借りちゃった。
『悪鬼蹂躙の効果で、返り討ちによるダメージは2倍よ!』
「ぐわぁぁぁ!!!!!」
その瞬間、白い光に包まれた。
私は目が眩み、顔を腕で覆う。
ふと目を開けると、宇宙空間のようなところに私とゴドウィンはいる。
「ここは…?」
『こ、こすも…』
ゴドウィンの元に、一人の男が静かに歩み寄る。
「兄さん…」
歩み寄ったのは、ゴドウィン長官の兄、ルドガー。
「…ふっ、どうやら私達は、回り道をしてしまったようですね…」
『ゴドウィン長官、ルドガー、』
「あなた達のおかげて気づくことができました。この運命に立ち向かう手段。それは仲間の絆…ずっと私の手の中にあったものなのに…」
『仲間の絆…それと、あなたたちの、兄弟の絆…ね。』
「ありがとう。…決着をつけよう、この因縁に…我ら兄弟の絆で。」
ルドガーとゴドウィン長官は、光差す道に並んで歩いて行った…
「ばるこ!!」
『はっ!』
遊星に呼ばれ、ハッとする。
気づけば、ゴドウィン邸の、先ほどまでゴドウィンと戦っていた場所に戻っている。
「終わった…のか?」
『うん…きっと。ゴドウィンとルドガーは、兄弟の絆を思い出してくれたみたい…』
「そうか…絆の力が、平和をもたらしたんだ…」
『…平和。もう、戦わなくていいのね…』
「ああ。…さぁ、行こう。」
『私と遊星のホワイトロードを!ライディングデュエルーーー?』
「・・・え。」
『アクセラレーション!!…でしょ?』
「お前…いいのか?」
『てへ☆だーめ!』
私達はみんなでこの悲しい戦いが終わったことを噛み締めた。
そして、お互いはそれぞれの道をまた進んでゆくーーー
ジャックは深影さん、カーリーの好意に悩める日々。
おいおい素直じゃないじゃん?
どっちも嬉しいくせにー
そう、カーリーは戻ってきたのだ。
ダークシグナーの記憶はないようで、いつものようにジャックを追いかける。
『ねぇねぇカーリー!私がジャックと昔からの中で、ジャックのあられもない姿だってばっちり知っているときたら、スクープかな!?ねぇねぇ!』
「ジャックがばるこみたいな変態を相手にするわけないんだから!スクープのにおいなんて微塵もしないわよ!」
「ちょっとばるこさん!アトラス様の評判を落とすようなことはしないでください!」
『ちょっと冗談言っただけはのにみんな私にひどい!』
そして、そんな深影さんを見つめる牛尾さん。
頑張れ…!!
「ばるこ、私もライディングデュエルを始めたの。早くばるこみたいにかっこよく走れるように頑張るわ。」
『ボディスーツやらしい!アキやらしい!ねぇ今夜ヒマ?』
「えっばるこどうしたの怖い。」
『怪しくないし怖くもないよ!』
「ちょっとばるこ、アキさんが不審がってるでしょ!」
『龍可ー!』
「アキ姉ちゃんかっけー!」
龍可はあの後、精霊世界に行ったようで、トルンカもレグルスも平和に喜んでいたそうだ。
私もまたいつか、行きたいなぁ。
私には、ひとつ、そわそわしてることがあった。
ダークシグナーのカーリーが何食わぬ顔で歩いているのだ。
つまり。
『・・・』
私はサテライトに帰ってきた。
サティスファクションのアジト。
ドキ、ドキ、
京介のいつもいる部屋を開けようとする。
このドアを開けたら…
「おい。何、人の部屋の前でずっと立ってんだよ。…監視?」
わしゃ、と後ろから頭を掴まれる。
『!!』
振り返ると
ずっと会いたかった
その人が。
「おかえり。」
そう言っておでこにチューしてくれる。
『京介…!!』
私は京介に抱きつく。
『ふぇぇぇ…!京介ー!京介だー!』
「おい、なんだよ、えっばるこ?お前泣いてんの?何で?」
『も、ほんとに、もうどっかいっちゃやだ!一人はやだぁ…!』
京介は驚いた顔で私を見て焦る。
カーリー同様、ダークシグナーの記憶はないようだ。
「えっ、何だよ。俺はどこにも行ってねえだろ…?」
『京介ぇぇぇ』
えっえっ、ちょっとクロウのとこに寄ってたぢけなんだけど、何、ばるこって四六時中俺と一緒にいねえと泣くっけ?ちげーよな、どちらかというとばるこのがよくクロウのとこ行ってたもんな、それはそれでどうかと思うけど、なぁとりあえず落ち着けよ。
なんて焦る京介が愛しすぎて。
私はもう一度、今度は口にキスをした。
もう、離さない。
『ぐすっ…京介…』
「泣き止んだかよ、ばるこ。」
『京介、あのね…?』
「うん?」
『チーム・サティスファクション!』
「\(`д´)ゝデュエッ!」
えっ何、今の…
何でもないよ!京介大好き!
+Happy Ending+
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[mokuji]
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