過去へ!よみがえる記憶、チームの絆*8




「わからん……」
『どうしたの、ジャック。』
「俺たちはこれで満足していいのか……?」











過去へ!よみがえる記憶、チームの絆*8










『いいんじゃない?サテライト統一の夢も叶えられたし。』
「しかし、目標を果たした今、俺たちは何のために生きていけばいいんだ…」
『彼女作れば?』
「おま…!馬鹿にしてるのか、このジャック・アトラス様を!」
『わりと真剣に言ったのに…!』


サテライトを統一してから、みんな様子が変だ。
変だというか、なんというか、満足してなさ気である。

私とクロウは、サテライト統一から平穏無事な日々を送り、そのおかげてイツキ、アニーや他の子供達と遊んであげられる時間ができた。
しかし、上のようにジャック、そして遊星、京介は腑抜けのようになっている。

京介に至っては、せっかく私が「ばるこわんこだぞ!京介をぺろんちょしちゃうぞ!わんわん!」って襲いかかったのに半勃ちにしかならなかった。
いつもの京介じゃない!うわぁぁぁん!と泣いて見せても、わりとガチな顔で、あぁ…すまん、なんて言われるから余計に凹んだ。

しかしジャックもまた、わりと真剣に悩んでいるらしい。
それなら私もその悩みを解決する力になりたい。


「デュエルは俺たちの原点だ。相手を頼む。」
『オーケー!』
「全てのデュエルが未来へつながるはずだ。」
『私たちの明るい未来にね!いくわよ!私のターン、ドロー!』


ジャックのドラゴンデッキは攻撃力が高く、かなり苦戦させられる。
しかし、私のカードの引きもよく、ギリギリのところでジャックを下す。


「ふむ。更なる高みを目指すのも悪くないな。」
『更なる、高み…?』


かすかにジャックがシティの方角を見ている気がした。
気のせいだと思うが…


「これは証だ。俺がここから新たな一歩を踏み出すためのな。」
『このカード…タイムカプセル。』
「少し頭がすっきりした。」
『そう、ならよかった!また何かあったら言って!』


クロウに、腑抜けたみんなの話を聞いてやってくれと言われた。
今度は遊星だ。


『ゆーせー!どうしたの?』
「ばるこ…サテライトを統一した俺たちは、これから何を目指せばいいのだろう…」
『うーん、まぁ、次に目指すものが見つかるまで、たまには休んだら?いつもいつも目標に向かってフル稼働なんて疲れるよ?』
「そうだな…気晴らしにデュエルしないか?」
『いいよ!しようしよう!』
「気張らず、実力を出そう。」


げっ、ジャンク・ウォーリアーにニトロ・ウォーリアーまで召喚する?!
遊星のここぞという時の引き強さにはかなわないものがある。


『んま、負けた…!』
「サテライトを統一したとはいえ、まだまだ力をつけないといけないな。」
『ここ最近、京介以外には負けなしだったから調子乗ってたわ…!』
「まだ先のことはわからないな。でも、一つ一つのデュエルを大切にしようと、改めて思った。」
『そうね、私も油断せず一戦一戦を大切にするわ!』
「ああ。一人で考えているだけだったら答えは出なかった。」


ありがとう、と言って遊星は微笑んだ。

うんうん、みんなデュエルすることで少し元気になったみたい!
やっぱり私たちはデュエルしてこそね!


みんなのお悩みもこのばるこお姉さんが解決したところで、私はD・ホイールのパーツでも買いに行こうとアジトから出かけようとした。
アジトの入口でクロウと出会う。


『あ、クロウ。』
「おお、ばるこ。どうだった?ジャックと遊星は?」
『デュエルしたら元気になったよ!』
「そうか。そりゃ良かったな!しっかし、鬼柳も気が抜けたようになってたな。どいつもこいつも燃え尽き症候群か?」
『ジョー!!!!!!』
「…はは、お前だけは本当に元気だよ…」


そういえば京介どこ行ったんだろ?
そーいや昨日の不完全燃焼な夜から、私が拗ねてたせいで京介と話してないや。

D・ホイールショップに行くついでに京介も探しにいくか!


そして、アジトを出て道をゆくと、京介の怒鳴り声が聞こえた。


・・・?

仲間のピンチ以外に京介がこんなに大きな声出すなんて…しかも怒ってる…?


ぶっちゃけ怒った京介は恐いのであまり近寄りたくないが、何か胸騒ぎがしたので声の方へおそるおそる歩いていく。





私はいつでも、笑ったあなたが好きよ。


+continue+




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