過去へ!よみがえる記憶、チームの絆*6




『チーム・ノンセキュリティ?』
「ああ、かなり大人数のチームだぞ。」











過去へ!よみがえる記憶、チームの絆*6










ふむ…最後の相手となるのは勢力のある大きなチームらしい。
これは気が抜けないわ…

私は珍しく、京介のところではなくクロウのところにいる。
デッキ調整をしたらクロウとデュエルをする約束をしていたのだ。


「ばるこ〜!デュエルしよー!」
「私もばることデュエルする〜!」


イツキとアニーがやってくる。


「お前らなぁ…」


クロウがため息をつく。


『いいよ、クロウ。イツキ、アニー、デュエルしようか!』


私が微笑むと、イツキもアニーも喜んでくれる。


「そうだ。イツキ、アニー。お前らタッグを組め。」
『!タッグデュエルね!面白そう!』


クロウの提案により、タッグデュエルをすることになった。
私も不慣れだったが、クロウのリードにより波に乗ることができた。


「ナイスコンビネーションだぜ!」
『いぇい☆』


イツキとアニーのタッグに勝ち、私とクロウはハイタッチをする。

イツキとアニーに、明日のエリア争奪戦で勝てばサテライト統一となることをクロウが告げると、二人とも喜んで応援してくれた。





「よし、ここが最後のエリアだ。」


京介が相手エリアの入口に立つ。


「満足させてもらおうぜ!」


これで勝てばサテライト統一…!


「チーム・サティスファクション、行くぞ!!」
『おー!』


私たちは一気に駆け出し、相手アジトに潜入する。






私がアジトに入ると、目の前ではジャックが4人の相手に囲まれていた。


「ばるこ!」
『ジャック!大丈夫?』
「なんだ?お仲間の登場か。仕方ねえ、2人ずつで潰すぞ!」
『えっえっ』


なんか1対2でデュエルすることになった!まじか!

ジャックは俺一人で片付けるつもりだったとかうにゃうにゃ言ってたけど、1対4とかまじ調子乗ってるわ!


『ばっちきなさーい!』
「少しもビビってねぇだと?生意気な!」


デュエル!


マハーヴァイロやデーモンの斧などに苦戦を強いられたが、何とか勝つことができた。
これまでが楽勝できただけに、今回はきつかった。


私がデュエルで勝つ頃には、ジャックも既にデュエルに勝利してたようで、私の対戦相手の男2人はおつかいとかよくわからない言い訳をして去って行った。


「お互い問題ないようだな。」


ジャックの前で、危ないデュエルだったとは言えないよな…


『ま、まぁ勝てて良かったかな!』
「それにしてもくだらん奴らだ。」


ジャックはこれからもまとめて相手を叩いていくらしい。
私は相手複数とかこりごりなんだけど!!


私が先に進むと、クロウも相手と戦っていた。
パッと見でわかるほど、クロウが圧倒的に押している。

みんな頑張ってるのね…!

私もうかうかしてられない、先に進まなきゃ。


「お!」
『あ。』


相手チームのメンバーが一人。

と思いきや…


「おーい!いたぞ、こっちだ!」
『やば…』


また2人組みに出会ってしまった。


『…ふぅ。』


何とか勝ったものの、1対2のデュエルは気を配る範囲が広く、体力的にすごく疲れる。
それが2連戦。

なかなかハードなエリア争奪戦になりそうだ。


『…ここは』


先に進むと、迷路のような部屋に出た。


『わ、床が動く!これは?ブロック?これを押して道を作るのね…』


なぜこのような部屋があるのかわからないが、入ってしまった以上進むしかない。

全速前進!全速前進!





『・・・』









『え、迷った…』


迷った。


気づけば私はブロックに囲まれ、進めないし戻れない、という状況に陥ってしまった。

こんなことしてる場合じゃないのよ…!


私がこうして文字通りの八方塞がりになっている間も、遊星、ジャック、クロウ、そして京介は相手を探し、戦い、そして倒しているはずだ。


思うようにならない焦り、苛立ち、そして疲労。


『…くすん。』


泣きたくないのに涙が出てきた。


これまで順風満帆だったからか、少しの障害物で挫折しそうになる。
なんて弱いんだろう。


私は、チーム・サティスファクションのメンバーだ。
チームのため、京介のために、こんなところで挫けてる場合じゃないのに…!


でも、自分の力じゃ…




ペタン


私は座り込んでしまった。




涙が止まらない。





「なーに泣いてんだ、ばるこ!」


!!


例えば、セーラームーンがピンチなときはタキシード仮面が。

いつだってヒロインがピンチのときには助けにきてくれる。


私のヒーロー…!


『きょ、京介ぇ…』
「何でこんなとこで迷子になってんだ。そんなんじゃ満足できねぇよな?」
『京介ーーー』


どこから駆けつけてくれたのか、ブロックの上からこちらに飛び降りると、京介は私を抱きしめてくれた。


『っく、ひっく、ごめんなさい…』
「ん?」
『こんなとこで、立ち止まってる場合じゃ…』
「相手の人数も多いしな。まぁ雑魚はジャックがまとめて倒してるだろ。大丈夫だ。」
『私も行かなきゃ…こんなとこで私が挫けてちゃ、京介を満足させてあげられないね。』


私が力なく笑うと、京介はいつもは頭をわしゃわしゃと撫でてくれるが、今回は頭を鷲掴みされた。


『んな?!』
「…強がるなよ。」
『京介。』
「ばるこ、道がわからなくなって怖かっただろ?」
『・・・』
「何かどこかでばるこが泣いてる気がして、胸騒ぎがしたんだよ。」
『何も言ってないのにわかっちゃうんだね…』
「ふっ、俺を誰だと思ってんだ?」
『うん…さすが、京介だね。』
「泣き止んだな?じゃぁ俺がばるこが元気になってまた戦えるようにおまじないしてやるよ。」






ちゅ


泣き止んでもまだ目の赤い私に、京介は軽いキスをする。


『・・・!』
「ははは、ビックリしたか?」
『だ、だって京介が、おまじない、なんて言うから…!』
「似合わねえってか?ばーか、いいんだよ。ばるこが笑顔になるならな!」
『…かっこよすぎでしょ。』


爽やかに笑顔をこちらにむけてくれる京介が嬉しくてまた泣きそうになるが、我慢。


「ほら、手。」
『…はい。』
「よし、行くぜ!…多分こっちだな!」


京介は私の手を引いて、部屋の出口まで連れて行ってくれた。


『出れた…』
「よし、先に進むぜ!待ってろよ、ノンセキュリティのボス!」


気丈に笑う京介。

私はどこまでもこの人について行こう。


繋いだ手を、私はギュッと握った。


+continue+




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