過去へ!よみがえる記憶、チームの絆*5




「今回のエリア争奪戦でダーティーワークスを叩くぜ!準備はできたか?」
『おうよー!』
「よし、行くぞ!ブッ潰してやるぜ!」










過去へ!よみがえる記憶、チームの絆*5










「ここがダーティーワークスのアジトだ!」


このアジト、すごく嫌な感じがする。


「どんな卑怯な手を使ってきても真っ向から叩きのめしてやるぜ!」


イツキのこともあり、クロウが意気込む。


「ああ!たとえ隠れていようとも、引きずり出してぶっ倒せよ!!俺は先に行く!ジャックと遊星もすぐ来るはずだからそう伝えておいてくれ!」


京介は先陣を切ってアジトに乗り込もうとする。


『ま、待って!京介!』
「なんだよ?」
『いつも以上に得体の知れない相手だから…罠とか、気をつけて。』
「おう!もう前みたいに卑怯な手には引っかからないぜ!」


心配すんな、と私の頭をクシャリと撫でて、京介は走って行った。


「俺も行くぜ!」


クロウも京介の後に続く。


その直後、ジャックと遊星が到着した。


「ばるこ、鬼柳とクロウはどうした?」
『ジャック。着いた途端に走って中に入って行っちゃった…』
「イツキの誘拐のことを怒っているんだろう。さっきもすごい剣幕だったからな。」
『そうなの、遊星。でも、このアジト、すごく嫌な感じがして。心配。』
「ああ、二人は冷静さを欠いているかもしれない。」
「そうだな、早く行くとしよう。」


私たちもアジトに入る。
ボーリング場の廃虚のようだ。


「なんとなく人の気配はするんだが…死角にいる可能性があるな。」
「何が起こるかわからないからな、周りに気を配れ。」


遊星とジャックが周囲に気を配りながら歩く。
確かに、どこから襲ってくるかわからない。

私もダーティーワークスのメンバーがどこかに隠れていないか目を凝らして探す。


『…ひぃぃっ!!』
「どうしたばるこ?!」


私の小さな声であげた悲鳴を聞き、遊星が駆けつけてくれる。


『う、腕が…!』


私の指差す方向の先には、ゲームの機械からはみ出る人の腕。


『じ、事件のにおいだわ!!』
「いや、ダーティーワークスのメンバーが隠れてるだけだ!」


遊星は冷静である。ほんとに。


バレたからか、男が出てくる。

こいつ、イツキを誘拐した…!


『死体かと思ったわよ!ビックリさせないで!もー現れたからにはデュエルよ!』
「いい度胸してるじゃねーか!」





「にゃに〜?!」


相手を軽く倒す。
しかし男は負けたにも関わらず、余裕の笑みを浮かべている。


『…何よ。』
「けっ!ダーティーワークス、俺たちの本当の怖さはデュエルだけじゃないぜ!」
『…やっぱり!』
「そろそろ、俺たちの仕掛けた罠に誰かが引っかかる頃だぜ〜」


周りをみると、さっきまでこの辺りにいた遊星がいない。
おそらく先に進んだのだろう。

…なんか、やな予感。


私もゲームセンターのエリアから奥のボーリング場のエリアに移動する。

すると、遊星がいたが、天井からパラパラと砂が落ちるのが見えた。


・・・やばっ!


『ゆーせー!!!』


どんっ

私は遊星を後ろから突き飛ばす。
その瞬間、さっきまで遊星がいた場所の天井が崩れ落ちた。


『…はぁ、はぁ、』


私はまだ心臓がドキドキしているのを感じる。
仲間の誰かがこのガレキに当たっていたかと思うとゾッとする。
これは罠だが、それでもあまりにも危険だ。
遊星も目を見開いて驚いている。


「これは!?ばるこに、押し倒されている。」
『・・・え』


そういえば必死になって気づかなかったが、突き飛ばすというよりは、後ろから遊星を抱きかかえるようにして倒れこんだんだった。


『ご、ごめっ!そんなつもりじゃ…!京介が見てたらしばかれる!遊星が!』
「俺がか!」
『いや、遊星だと思って見たら、その上から砂がパラパラ落ちてて…これは崩れる!って直感で思ったら無意識のうちに体が動いてた。』
「…ばるこ。お前がいなければ俺は…ありがとう。」
『これはだめでしょ…でもね、さっき相手から聞いたんだけど、この辺りにはいっぱい罠が仕掛けられてるみたい。』
「そうか、奴らの仕業か。他の仲間にも伝えた方がいいな。よし、俺はみんなに言ってくる。ばるこはこのまま敵を探してくれ!」


遊星は焦った表情でどこかへ走って行ってしまった。

私一人でこのエリア散策は…ぶっちゃけちょーーーーー怖い。


すると、さっきの天井が崩れ落ちる音を聞きつけてか、男の声が近づいてきた。


「誰かが罠にかかった音がしたぞ〜。」
『かかってないわよ、なめんな。』
「あん!?ピンピンしてやがる!お前、あの罠を避けやがったな!準備するの大変だったのによ!」
『あんなリアルに死にそうな罠かけてくるなんてサイテーね!』
「仕方ない、デュエルするしかないか。」
『当たり前よ。いっぺんきっちりシメてやるわよかかってきなさい!』


罠をかけただけあり、デュエルには自信がなかったようだ。
特に問題なく相手を倒す。


「ちっ!罠もデュエルもだめか…さっさとどっかいけよな!」
『言われなくても先に進ませてもらうわよ!ばーかばーか!』
「な!」
『ふーんだ!おしりぺんぺーん!』
「ほんとにてめーのケツ叩くぞ!」
『きゃーーーーー!』


私はその場を離れ、一旦ゲームセンターのエリアに戻ってみた。
すると、さっきまで見当たらなかった紫のモヒカンが目の前にいる。


「てめぇはサティスファクションのメンバーだな!」
『そうとも!私はこのチーム・サティスファクション、リーダーの女!ばるこよ!』
「俺は伊田だ。お前、俺様の部下を随分と可愛がってくれたみたじゃねーか。」
『私は毎晩リーダーに可愛がってもらってるわ。』
「それは聞いてねーよ!…人様のアジトで好き勝手やってタダで帰れると思なよ!お前も俺様がたっぷり可愛がってやるぜぇ」
『イケメンじゃないと無理なので結構です!』
「何ぃ!馬鹿にしやがって…かかって来い!」
『がってん承知の助〜!』


伊田ドラゴンズというデッキの名前に圧倒されるが、デュエルの内容ではワンサイドゲームという感じで、私は伊田を下した。


「ちくしょう!せっかく作った俺様のチームが…」


伊田やその仲間たちはアジトから逃げるように出て行った。


「どうやら、ボスを倒したようだな。これでこのエリアも制圧完了だ。」
『遊星!…みんなは無事?クロウは?京介は??』
「安心しろ、他のメンバーは無事だ。鬼柳とクロウは意外と冷静に罠を対処してたみたいだ。」
『そっか、良かった!』
「俺が無事なのは、ばるこのおかげだ。本当にありがとう。」
『仲間なんだから、当たり前でしょ!気にしないで!』
「…ああ、そうだな。俺たちはかけがえのない仲間だ。」
『うんうん!』
「そろそろ、皆と合流してアジトに帰るとするか。」


私と遊星はボーリング場を出て、京介、クロウ、ジャックと合流し、アジトに帰った。


「さて、今日も無事にエリア制圧だぜ!」


京介が嬉しそうに、ボーリング場のあった地区をマーキングする。


「だが、満足するにはまだ早い。なんせあと1エリアでサテライト統一が果たせるんだからな!」
「いよいよだな!」
「長かった…ついに統一することができるのか…?」


京介、クロウ、ジャックが口々に言う。


『私たちならできるよね!ね、京介!』
「もちろんだ!そのためにも、デッキの調整はちゃんとしておけよ!ここまできてサテライト統一できないなんて、シャレにならねえからな!」


仲間はみんな、瞳に闘志を浮かべ、頷く。

いよいよ、サテライト統一…!


私たちは今日はもう解散し、各自
ゆっくり休むことにした。


+continue+




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