再び登場!!
仕組んだのは―――
再び登場!!
『はぁぁぁ〜…』
長いため息をつくろじこ。
「どうしたんだ??」
『十代…』
「ため息なんかついて…元気ないっすよ。」
『翔くんも。…実はね…』
ろじこは電光掲示板を指差した。
ビジョンには、今日の実技デュエルの対戦者が発表されている。
「「……!!」」
二人は目を見開いた。
『今日の私の対戦相手……』
ろじこが目を伏せて対戦相手の名前を口に出す前に、どこからか一人の男子生徒がこちらに向かってくる。
「やぁ、ゆにばーすくん。」
そう、彼こそが、割 込太郎。
オリキャラながら何かと出てくる辺り、ろじこ最大の敵であろう。
「やっと誰にも邪魔されることなく、キミとデュエルが出来るよ。」
『そ、そっすね……』
「おい、割。お前さ、何でそんなろじこのこと好きなわけ??つーか、ろじこのどこに惚れたんだ??」
十代がキョトンとした顔で割に尋ねる。
『十代あんた…その言い方、私がよっぽどモテないみたいじゃない!!』
「いや、その言い方じゃ、まるでろじこさんが、自分はモテモテだと言い張ってるみたいっすよ!!」
『うっ……』
「それで、割。どうなんだ??」
「フフーン、それはだねぇ…ずばり、お尻だね!!」
「「『何ィっっ!?!?』」」
バッとろじこを見る十代と翔。
『見るなぁッ!!』
「ま、お尻だけじゃなくて、顔も可愛いし、デュエルも強いし。」
『で、でも性格とかはよく知らないでしょぉ!?』
「知ってるよ。明るくてさっぱりしてる……じゃ、今日のデュエルでね♪」
ニコ、と笑うと割は去って行った。
「ふーん、悪い奴じゃなさそーじゃん。」
『どこがよ!!あんな尻フェチ!!』
「”デュエルで俺が勝ったら付き合ってくれ!!”とか言いそうっすね。」
『誰よ、この組み合わせ仕組んだの…』
「フフ…シニョール割。今日のデュエルの組み合わせは、シニョールのために私が決めたノーネ。頑張るノーネ。」
そう、仕組んだのは他でもないクロノス教諭であった。
「………チッ。」
不機嫌そうに電光掲示板を見る万丈目。
そこへ、三沢がやって来た。
「やぁ、万丈目…ん、どうしたんだ??」
「三沢か…別に、何でもない。」
やはり不機嫌そうな顔で、万丈目は去って行った。
三沢が掲示板に目をやると、そこには実技デュエルでろじこが割と当たることが示されていた。
三沢は思わず苦笑いする。
「なんだ、そういうことか。」
「これは試練なのよ!!」
両腕を組んで、明日香はろじこに断言した。
『そ、そんなぁ…』
「割くんに勝てないようじゃ、刺客・ゆにばーすろじこの名が泣くわ。」
『それはミスコンのときの異名じゃん!!』
「あら、今でもそう呼ばれてるわよ。」
『そ、そうなの…』
「ほら、私もデッキ調整なら手伝ってあげるから。」
『うん……』
そして、午後の授業はやってきた。
『もーやだー!!お家に帰りたいー!!』
「世迷いごとを!!ここで勝って、邪魔者を消さなければ!!」
『コマンド・ナイトぉぉ…』
生徒たちは既に、デュエル場に集まっている。
ろじこは一人、廊下でコマンド・ナイトに泣きついていた。
「そうです!!万丈目に電話して励ましてもらってはどうでしょうか??」
『万丈目くんに??』
「ええ。電話で一言、頑張れと言ってもらえば、ろじこの緊張もほぐれますよ。」
『そうかなぁ…でも、電話してみようかな。』
ポケットから携帯を取り出す。
毎朝電話があるので、着信履歴から万丈目の名を探し、通話ボタンを押す。
「…どうした??」
『あの、その、デュエル前で緊張してて…』
「そうか。まぁ、相手が相手だからな…」
『うん。それで…一言、頑張れが聞きたいの。』
「なんだ、そんなことか。」
『そんなこと…うん、そんなことなんだけど、それがないとダメなの!!』
「フッ、大丈夫だ。ゆにばーす……いや、ろじこ。お前は勝てる。俺が保証する。」
『…うん、ありがとう!!あは、何か、すごく自信が持てる。』
「礼を言うほどのことではない。…勝てよ、絶対。頑張れ。」
『うん、頑張る!!じゃぁね、私のデュエル、見てて!!』
たった数分の通話だったが、ろじこの表情は、先ほどより格段に凛としていた。
++To be continued++
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