エントリーナンバー4の復讐!!


この程度で、挫折なんか―――










エントリーナンバー4の復讐!!










ザッパァァァ


「きゃっ!!」
『つっ、冷た……』


全身ずぶ濡れのろじこと、キャハハと笑う数人の女子生徒。
その数人の中心には、かのエントリーナンバー4の女子生徒がいた。


そう、今、ろじこは頭から水をかけられたのだ。

幸い、ろじこの隣を歩いていた明日香にはかかっていないようだった。





―――昼休み。


『もう、ひどいよ…明日香と翔くんはともかく、十代や三沢くんを呼ぶなんて…』
「それは何回も謝ってるでしょ!!あの二人は本当に申し訳なかったわよ。」
『もぉ〜〜〜』


「おいっ!!上、上!!」


近くの生徒が叫ぶ。





そして文頭に至る。





「な、何なの…!?」


持っていたハンドタオルでろじこを拭く明日香は、上を見上げて女子生徒たちに叫ぶ。

すると、女子生徒たちは笑いながらどこかへ去る。


「ろじこ…大丈夫…!?」
『あんの野郎……明日香、あいつ…』
「エントリーナンバー4。さっきの…ろじこを嫉んでの行為ね。」
『うん…私…ちょっとひとっ走りしてくる。』


すっくと立ち上がるろじこ。


「ダメよ、風邪ひくでしょ!!」
『ゴメン…万丈目くんには言わないで!!』


そう言い残し、ろじこはずぶ濡れのまま校舎へ駆け入る。


『待てやコラァァァ!!』


キャッキャ言ってパタパタ走る女子生徒の集団の後ろから、突然、ろじこが猛スピードで走ってくる。


「きゃー!!」
「外から走って来たの!?」
「何で追い付かれるのよぉ!?」
『見つけたわよ、エントリーナンバー4!!』

驚く女子生徒たちに、ろじこはさらに加速する。


「くっ…振り切るわよ!!」
「そっ、そんな無理ですっ!!」


エントリーナンバー1は仲間に声をかけてスピードを上げるが、彼女たちはエントリーナンバー4についていけず、途中で立ち止まる。


「もっ、走れない…」
『あんたたちに用は無いわ!!どかないと踏み潰すわよ!!』
「「「きゃー!!」」」


とっさに避ける女子生徒たちをよそに、ろじこはエントリーナンバー4を追い掛ける。





「っは、っは…な、何でそんなに早いのよ!?」
『ふんっ、私を振り切ろうなんて甘いわよ!!』


ろじこは遂にエントリーナンバー4を行き止まりに追い詰める。


息を切らし、ヘタッと座り込むエントリーナンバー4に対し、ろじこは息一つ乱さない。




『あんたのせいで全身ずぶ濡れよ!!上級生だからって容赦しないから。』


デュエルディスクを構えるろじこ。


「なっ、何を…」
『見ればわかるでしょう??デュエルよ。』
「ど、どうして…よ…??」
『ここはデュエルアカデミア。全てはデュエルで決めるの。』


青ざめる、エントリーナンバー4。
彼女もろじこのデュエルを何度か見ているので、ろじこの強さは十分に知っている。


「やめなさい、あなたたち。」


あわやデュエル、というところで鶴の一声。


「こ、小日向……」
『小日向先輩??』


ろじこが振り返ると、小日向星華が腕を組んで立っていた。
そして、その隣には明日香がいた。


『あれ、明日香??』
「私が呼んだの。…ろじこが、万丈目くんは駄目だって言うから…」
「そういうこと。…悪いわね、私の学年の者が迷惑をかけて…」

小日向はエントリーナンバー4の方をキッと睨んで言う。


「あなたのしたことはとても卑劣な手段よ。もうろじこに絡むのはやめなさい。…既に、振られたんでしょ。」
「……そうよ。でも、まだ諦めたわけじゃないから。」


フン、と鼻を鳴らすと、エントリーナンバー4はどこかへ去って行った。


『くっ…ボコボコにしてやろうと思ったのに…っくしゅん!!』
「ろじこ、あなたは温泉施設に行くのよ。」
『え??』
「風邪ひいてるじゃない。一人で行けるわね??」
『そんな、寂しい!!』
「ごめんなさいね、ろじこ。小日向先輩も私も午後はデュエル実習だから。」
『わ、分かった…』





廊下を一人フラフラと歩くろじこ。
かすかに歓声が聞こえるので、既にデュエル実習は始まっているのだろう。


『あれ…さっきまで元気だったのに…』


見るものに色みがなくなり、視界がだんだんと狭くなる。


「―――!!」


偶然にも、万丈目がそこを通りがかったが…


『あれ…万丈目…く、ん……』





バタッ





ろじこは、とうとう倒れてしまった。





++To be continued++




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