こんな服装のときに限って、異世界に来ちゃいました☆




面倒くさくて適当な服を着てる時に限って、憧れの彼とばったり会っちゃった!いやーん!

っていうのは、まぁあるあるじゃないすか。


私ね…













こんな服装のときに限って、異世界に来ちゃいました☆











私、この時代知ってる。

どれくらい前の時代にあるのかは知らないけど、デュエルモンスターズ生みの親、ペガサスの生きる時代。
最強のデュエリストと言われる、武藤遊戯さんの生きる時代。
ネオ童実野シティが、童実野町と言われていた時代。

私はひょんなことから、そのような時代にトリップしてしまったのだ。





…あの、満足ジャケットを着たまま。





ひょんなことから、と言ってもどうしてこうなったのかよくわからない。

普段の通り、チーム・サティスファクションで集まり、エリア争奪戦やら最近のサテライトやら、みんなで話をしていた時だ。


『えっ、昔ってD・ホイールとかなかったん!』
「ああ、普通にスタンディングデュエルしかなかったらしい。」
「そんなんじゃ満足できねーよな!」
『鉄砲玉のクロウ様もただのビー玉やな…』
「どういうことだよ!」
「ふん、俺ならいつの時代に生きても頂点を目指すことに変わりない。」


なぜか昔の時代の話になったのだ。


『でも、そんな昔からデュエルがあったなんて素晴らしいよな!過去に行けるなら行ってみたいわーー!』
「やめとけろじこ、野垂れ死ぬぞ。」
『どういう意味やねんクロウ!』


確かに、寝るところとかご飯とかどうするんだろうね…


「確かに興味はあるな。」
「遊星も物好きだな。俺はD・ホイールのない時代なんて考えらんねえや。…ろじこ、そーいやお前D・ホイールのパーツ新しくしたんだよな?ちょっと走りに行こうぜ!」
『いいよ、クロウ!じゃぁ遊星も行こ!』
「ああ。」
『じゃぁ京介とジャックはお留守番ね!攻め込まれないようにアジト守っとってな!』


半ば強引に、京介とジャックに留守番をさせ、私はクロウ、遊星と旧ハイウェイでD・ホイールを走らせることにした。

ジャックは面白くなさそうにしてたけど、京介は夕飯までには帰ってくるんだぞって言ってた。
そうよな、私が帰らなかったら京介の夕飯ないもんね。


そう、事件はそれからだった。


『やばいてこれ!スピード出るけどその分ハンドリングめっちゃ難い!』
「おいおい大丈夫かよろじこ!」
「こけるなよ。」
『こけへんけどぶつかりそう!』
「おい、前!」
『曲がらへーーーーん!』
「ろじこ!!」


遊星とクロウが焦る。
もちろん私が一番焦る。

思うように曲がれず、私は塀にぶつかり…





気づいたら、七色の光に包まれ、そして…知らない道路に出た。


『えっえっ、道!?私ちゃんと道に出た!?何やこれ!とりあえず止まれそうにないから走るしかない!』


塀にぶつかったと思ったら道に出た。
これはラッキー☆と思ったのだが、どうやら雰囲気が違う。

サテライトの旧ハイウェイは、こう、ボロくて汚くて暗いという雰囲気だが、この道は空も明るいし道も綺麗だ。


しばらく走っていると、みんなが車やバイクを停めている場所が見えたので、とりあえず私もそちらに寄ることにした。
ふむふむ、サービスエリア?
そうか、ここでみんな休憩したりするのね。

私はそのサービスエリアというところにD・ホイールを停める。


・・・やだなに、みんなこっちを見てる。

私も周りを見渡してみる。


こういう、見知らぬところに来た時、周りの視線が気になるならそれは外見だと思う。

確かに周りの人たちは、綺麗な格好をしている。
サテライトよりは、シティの住民のような格好だ。

ここはシティなのかな?とも思ったが、なんとなんと、周りにはD・ホイールが一台もない。


とりあえず、自分の状況がよくわからないときは、自分がどういう状況に置かれているのか考えることが大切だ。

私は、たまたま近くにいただっせー緑のバイクに乗った茶髪の背の高い男性に話しかけた。


『あのー、すみません。』
「なんだ貴様は。」


おや?この高圧的な態度は…


『え、なにジャック?』
「誰だそれは。俺は海馬コーポレーション社長、海馬瀬人だ!」
『えっえっ』
「貴様のような凡人にかまってる暇はない!」
『ちょっと待ってジャ…海馬さん!私、過去か未来かどっちか分からないけど時代を超えて来たんです!』


私もよくわからないなりに発言するが、多分海馬さんにもちゃんと通じてない。
彼はすごく不審な顔をしている。


「貴様ふざけているのか。」
『ハイパー真面目なんすけど…』
「ふぅん。貴様のその乗り物はなんだ。」
『D・ホイール?私の住んでるところは、これで走ったり、デュエルもするんですよ。』
「何ぃっ!?…貴様、嘘ではないだろうな?」


おっ、ちょっと話を聞いてくれそうだ!


『ほんまですよ!ここにデッキを入れて…このスピードワールドのフィールド魔法を発動してデュエル開始。』
「・・・!」


私がD・ホイールのエンジンを入れ、デュエルモードを立ち上げて見せると海馬さんは目をまん丸にして衝撃を受けている。


「本当に貴様は未来から来たというのか…?」


D・ホイールを見たことがないなら、ここはきっと過去の世界なんだろう。
海馬さんの言葉に、私はこくりと頷いた。


「ふぅん。なかなか面白いではないか。」
『!でしょ、そうでしょ!ねぇもっと話聞きたくないすか?泊めてください。』
「なっ…!?」


いきなり泊めろ言ったらすごく嫌そうな顔をされました!そらそうか!


「どこの馬の骨ともわからん奴を自分の家に招くほど俺は馬鹿ではない。…遊戯の家にでも放り込むか。」
『え。』
「ついてこい!」
『あ、ちょっと…!』


海馬さんは自分のバイクに乗ると、私の準備などお構いなしに急に走り出した。
私は慌てて海馬さんについて行く。

この傍若無人な雰囲気、ジャックだわ…!





しばらく走り、海馬さんに案内してもらったのは、GAME SHOPとかかれた1つの家の前。


「この家で面倒を見てもらうがいい!俺は忙しい実なので貴様に付き合っている暇はないのでもう行く!」
『あ。海馬さんありがとう!』


私が海馬さんを見る頃には、彼は既にフハハハハハ!と高笑いをしながら走り去って行った。


『しっかし…むちゃくちゃやな!』


別にこの家の人を紹介されたわけでもないのに、面倒を見てもらうって。

さすがの無法地帯なサテライトでもそれはなかったよなー…

私は、海馬さんに案内された家を尋ねるのを躊躇し、とりあえず辺りをブラつくことにした。




ーーその頃、サテライトでは


「鬼柳、すまない。」
「え、なんだよ遊星。それにクロウもどうした?」
「ろじこが…消えた。」
「何っ!!どういうことだよ!!」


驚く京介と、申し訳なさそうに、そして困惑した表情をする遊星とクロウ。


「俺たちもよく分からないんだが、旧ハイウェイを走っている途中、ろじこがハンドリングをミスして塀にぶつかりそうになったんだ。」
「まじかよ遊星!クロウ、ろじこはぶつかって大丈夫だったのか?」
「いやそれが、ぶつかると思ったら、塀をすり抜けたんだよ!」
「そんなことあるか!?」
「あったんだよ!だからろじこがいなくなったんだよ!」
「おいおい…どーすんだよ。俺の夕飯。」
「「おい。」」
「いや、ろじこ含め俺の夕飯なんだけど…心配だな。」
「鬼柳…全然その心配が伝わってこねーよ。」
「とにかく、ろじこを助ける方法を考えよう。」


果たして、私はどうなってしまうのだろうか…!


+continue+





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