HOTEL☆メリーゴーランド




「ろじこ、今日はここに泊まろう。」
『……』



遊星が指さす方を見ると、ネオン輝く看板が。












HOTEL☆メリーゴーランド










どこからつっこめば…



私たちは、チーム・サティスファクションとして、ここサテライトでエリア争奪戦をしている。
今日はその帰りだ。


確かに、今日のエリア争奪戦は相手チームも大人数でかかってきたので疲れた。


早くお風呂に入ってキレイになって、休みたい。


しかし、ここはサテライト。
ここで泊まらなくても、私たちのアジトはすぐ近くだ。


そして、そもそもこのホテル。





『思いっきりやらしーホテルやないかっ!!!!』



遊星は涼しい顔で、「そうなのか、知らなかった。」なんて言いながら私の手を引く。


いや、確かに私と遊星は恋人関係に当たるし、そういうことだってしている。
ラブホテルに入るのも、特に断る理由はない。


ただ…



「ろじこ、ここはすごいらしい。なんでも回転ベッドがあるらしい…はぁはぁ。」
『か、回転ベッド…!?』



そういう性的なものに、遊星が目を輝かすのが何か嫌なのだ。
いつものクールな遊星が台無しだよ!!



『な、何それ?』
「その名の通り、回転するベッドだ!」
『回転するベッドって…何するの?』
「何するって、お前、それは…」
『わー!そういうことじゃなくって!!回転して何の意味があるのってこと!』
「演出じゃないのか?」
『何の!!』





よくカップルがお花畑で両手を繋いでウフフアハハくるくる回る感じで?



カップルが回転ベッドで二人繋がってアンアンギシギシくるくる回るってゆーの!?!?





「フッ、ろじこ。お前も回転ベッドが気になってきたようだな。よし、早く入るぞ。はぁはぁ」
『ちょ、ちょっと…!』



半ば強引に手を引かれ、興奮しっぱなしの遊星にホテルに連れ込まれるのであった。



ガチャ。





「これが、噂の…」
『か、回転ベッド…!』



鍵を開けドアを開くと、部屋のど真ん中には大きな円形のベッドがあり、壁は一面の鏡張りだ。


か、鏡張り……



「回転ベッドに鏡張りなんて興奮するな。ろじこ、早速…」
『ひぃ!!』



満足ジャケットもデュエルディスクも放り出し、私は遊星に回転ベッドに押し倒されてしまった。



「これがスイッチか。よし、ぽちっとな。」
『ゆ、ゆうせ…』



ベッドの支柱の根元にあるスイッチを押すと、ゆっくりベッドが回転を始める。



「実に面白い。」
『頭、大丈夫?』

「回転はゆっくりだが、壁一面の鏡が回転するベッドを映す。つまりいろんな角度から映されるろじこのあられもない姿が…!はぁ、はぁ、ろじこ!!」
『きもっっ!!遊星、落ち着いて!!確かにベッドは回転するし鏡にも映るけど、私たちが同じ体勢で一緒に回ってる限り、見える鏡の像は同じよ!!』
「何だと!!!!」



遊星はガクッと膝をつき、肩を震わせている。

んな大げさな…!



「これじゃベッドが回転する意味がない…!」
『まぁ、意味はわからないよね…』



私はよしよしと遊星の頭を撫で、残念だねー、と慰める。



「くっ、こんなんじゃろじことシンクロするなんてできないのか…俺は、俺は名の通りのジャンク…!」
『えっ何、遊星どうしたの落ち着いて!てか元気出して!ほら、情けない遊星が鏡に写ってるよ!』
「そうやってお前は俺を言葉で攻めるのか…あぁ、それもいい……」
『!?!?!?』

「さぁろじこ!鏡に映る情けない男をなぶるんだ!さぁ、さぁ早く!!」
『きも!!!!!!!』
「あっ…!ろじこ…!!」
















『遊星…』





私は目を閉じ、ベッドから降りた。


もう彼は私の手の届かないところまでイッてしまったのだ…



私が遠い目で見つめるベッドは相変わらずゆっくりと回転している。



自分のイチモツを握り悶える彼を乗せて。





「ろじこ、見ててくれ…!ベッドで回る俺を、鏡に映る俺を…!!」
『……手に、負えない……』





+fin+





MBAという名の蟹ラッテ
万弥さま、真実愛さま、愛胡さまに捧げます*°







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