Surprise*Whiteday!
WD
「ようろじこ、鬼柳がすっげー笑顔でお前のことさがしてたぜ。」
『…まじか』
ついに来てしまったのね…
Surprise*Whiteday!
「おう!ろじこ!今日は何の日か知ってるか?」
クロウに会った後すぐ、道を歩いていると京介に会ったのだ。
一目見た瞬間、京介がものすごい上機嫌だったのがわかる。
ニコニコと爽やかな笑顔の京介に、私は身構える。
バレンタインは散々な目に…まぁ私もドキドキしてちょっと楽しんでたけども。
『ほ、ホワイトデー…』
「おう!ろじこ、楽しみにしてただろ?」
『ドキドキしてた…恐れてるという意味で。』
「どういう意味だよそれ。」
だって京介のことだから、俺のホワイトチョコ飲めよ!みたいな発想に決まってる、そうに決まってる。
何なのよ俺のホワイトチョコって、全然甘くないくせにー!
私が苦い表情をするので、京介は怪訝そうな顔でお前は不機嫌なのかと聞いてくる。
うーん、そうじゃないんだけど。
『でも京介がホワイトデーの概念を知ってるなんて驚きなんだけど。』
「安心しろ、俺だってそんな野暮じゃねーんだよ。ホワイトデーは、バレンタインのお返しをする日だってちゃーんと知ってるぜ!」
『お返し、ねぇ…』
「まぁここじゃなんだ、アジトに来いよ。」
私は誘われるがままに京介について行く。
アジトに入ると、かすかにご飯のいい匂いがする。
『美味しそうな匂いがする。』
「おう。いつもろじこにばっかり飯作らせてるからな。」
『京介…!!』
「俺のホワイトシチューでろじこを満足させてやるぜ!」
『!!!!!!!』
きょっ、
京介の…!
『京介のホワイトシチュー!?』
「何期待してんだよ?」
『きっ、期待してない!!』
「へぇ?」
『ちょっ、ニヤニヤしてないで早く食べさしてよ!』
「そうかそうか、ろじこはそんなに俺のが食いたいか。」
『も、もう!!』
本当に京介ってばホワイトシチュー作ってる。
野菜の形こそゴツゴツしてて料理慣れしてないというか、男らしいというか…でも、京介が私のために作ってくれたというだけで、嬉しいし美味しかった。
「…どうだ?」
京介がちょっと真剣な顔で、シチューを食べる私の顔を見つめる。
京介、可愛い彼女みたいなんだけど…
『美味しい、すごく、美味しい。』
「おお!ほんとかよ、やったぜ!」
嬉しそうに笑う京介に、私も自然と笑みがこぼれた。
『っふふ、京介まじ彼女みたいー!可愛い…!』
「うるせー!頑張ったんだよ!」
『ほんと、すごい嬉しい!満足〜!』
「おいおい、この程度で満足したわけじゃないだろ?」
『え?いや、じゅうぶん…』
「…ほら、前向け。」
『え?』
私はシチューを食べる手を止め、前を向く。
すると京介はイスから立ち上がり
私の後ろに立つと
キラリと光るネックレスを
『…!!』
「ははっ、驚いたか?」
彼氏に後ろからネックレスをかけられるなんて全乙女の夢じゃないの!?そうじゃないの!?
ま、まさか京介がこんなことしてくれるなんて…!
『あの、京介、こ、これっ!』
「ろじこお前キョドりすぎだろ。ありがとうな、いつも。」
京介は微笑み、チュ、と髪にひとつキスを落とす。
絶対にやらしいことになると思ってたのに…
『京介、サプライズすぎ…』
「惚れ直したかよ?」
『惚れすぎてツライ…』
「ははっ、そりゃ最高だぜ!」
…かっこよすぎでしょ。
素敵な素敵なホワイトデーになりました。
+fin+
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[mokuji]
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