私は目を閉じた。




私は城之内さんを後ろに載せ、適当な道で愛車を走らせる。


「うひょー!ろじこたちはこのスピードでデュエルするのか!?」
『はい!1ターンごとにスピードカウンターっていうものが増えて、それでもうちょっと速くなっていきます!』
「すげぇな…!あ、あれを右だ!高台に行く道があるはずだぜ!」
『わかりました!』


私は城之内さんの言う道を進む。
しばらくD・ホイールを進めると、童実野町のキレイな夜景を一望できる高台に着いた。


『わお!』
「へへ、どうだ?…未来の童実野町の方が夜景とかすげぇか。」
『いや、私のいるサテライトではこんなキレイな夜景ないから…すごい。』
「そうか、なら良かったぜ!ちょっと停めて見て行くか?」
『はい…!』


キレイな夜景の童実野町。

私はD・ホイールを停めて降り、手すりギリギリまで寄って夜景を見渡した。

童実野シティの眩しいくらいの夜景よりも、1つ1つの建物がわかる程度の光を放つ、こちらの童実野町の夜景の方が上品にキレイに輝いている。


『!』


背中に回される、城之内さんの腕。


『城之内さ……えっ!』


城之内さん、と声に出そうとした瞬間、私の身体が光る。


「ろじこ!?これは…!」
『私のD・ホイールも…!』


私と同じように光を放つD・ホイールに急いで駆け寄る。

これは、元の時代に…


「もう帰っちまうんだな、ろじこ。」
『城之内さん…』
「克也だ。」
『か、克也…さん。』
「くぅー、俺もタイミング悪いぜ!せっかくろじこに出会えたっつーのにな。」
『ほんまに…』
「元気でな、ろじこ!」
『克也さんも…!』


これは……


私は少し笑って、顔を上に向けた。

城之内さんは一瞬驚いた顔をしたが、困ったように笑い……








私は目を閉じた。















ぎゅむ




「おい、なんつー顔してんだ。」
『・・・』






目を開けると、そこには京介の怪訝そうな顔。
私の頬は京介の両手で挟まれていた。


あ、元の世界に帰ってきたんだ!


『…ただいま。』
「ろじこ、心配したぞ。」
『遊星が私を元の時代に戻してくれたんやね、ありがとう。』
「元の時代…?」
『私、過去の時代に行ってたんよね。』
「過去…?」


きっと信じてもらえへんのやろなー、なんて思っていると、京介が口を開く。


「てゆーか、さっきまで何してたんだよ。戻ってきたと思ったらキス顔してるしよぉ。お前まさか他の男と…!」
『いや、これは!その!京介が迎えてくれるんだろなーと思って!』
「怪しいな…!!」




この不思議な時代旅行は、そっと私の心の内にとどめておこう。





その後、パラドックスの件で、遊星は遊戯さんにお世話になることになる。


「うん、十代くん、遊星くん、一緒に戦おう!…ところで遊星くん、ろじこちゃんは元気?」
「えっ…」


+fin+




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