お前ってさ…好きなやつとかいるの?
人生とは、タイミング。
お前ってさ…好きなやつとかいるの?
もし私がこの時代に生きていたら、城之内さんのことが好きだったかもしれない。
しかしそれは、私が京介を好きで、その京介と城之内さんが似ているからというだけなのかもしれない。
いつ、誰と、どう出会うのか。
人生とは、やはり、タイミングなのだ。
城之内さんとたこ焼きデートの後、私は城之内に遊戯さんの家まで帰るのを送ってもらっていた。
とりとめのない話も楽しいものだ。
空はすっかり暗くなっている。
そういえば、城之内さんと初めて会ったのも暗がりの夜道だった。
『ありがとうございました!』
「おう!今日は夜道も悪ぃ奴らに絡まれなかったな!」
『城之内さんが一緒にいてくれたおかげですね!』
「また変なのに絡まれたら言えよ!」
『ふふ、ありがとうございます。』
遊戯さんの、夕飯までに帰ってこいという時間にもギリ間に合った。
「あのよ、ろじこ…」
『はい?』
いつもの豪快な城之内さんとは別の、少し真剣で、
少し照れた顔。
その口が開く。
神様はいじわるだなぁ、なんて思うのであった。
『わ、わたし…』
「い、いや、何でもねぇ!…それより、遊戯に早く帰ってこいって言われてたよな。ほら、遊戯もきっと心配してるぜ?」
『あ、はい、でも…』
「たこ焼きうまかったぜ、サンキューな!」
『あ、はい!』
「今度は俺がうまいところ連れてってやるぜ!」
『わぁ嬉しい!楽しみにしてます!』
「じゃぁな!」
『はい、おやすみなさい!』
手を降って別れ、私は家に入った。
…ドキドキした。
別に告白されたわけとちゃうけど。
城之内さん、あんな顔するんだ。
『た、ただいま…』
「あれぇ、ろじこちゃん顔赤いよ?熱?大丈夫?」
『遊戯さん…浮気のラインってどこですか…』
「え、ええ!?何、急に!?」
「ふぉふぉ、ろじこちゃん。なんじゃ、罪な女だのぉ。」
「じいちゃん!?」
私は、家の前に停めているD・ホイールが光ったのに気づかなかった。
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