Bean Throwing Festival !




『京介の恵方巻きを口いっぱいに頬張りたい…』
「ん?お前の豆食べてもいいならいいぜ?」











Bean Throwing Festival !










『と、いうことで!日本人たるもの、節分行事で満足するしかねえ!』
「ろじこの不純な考えに俺たちを巻き込むなよ。」
『うるさーい、クロウ!悪いことを追い払って、1年の平安をお願いするんだよ!大切なことじゃない!』
「くだらん。強いて言うなら、ろじこ、貴様の性欲が鬼だろう。」
「ジャックの言う通りだな。」
『ジャック、遊星!ひどい!』


サティスファクションと子供たちで節分パーティをすることになりました!
いや、することにしました!


「まぁあれだ。ガキたちも、豆まきとか面白がるだろ。」
「わーい!鬼柳兄ちゃん!豆まきしたい!」
「私もしたーい!」


京介がそう言うと、イツキとアニーも喜ぶ。


『良かったねー、イツキ!アニー!京介が鬼さんしてくれるって!』
「「わーい!」」
「ちょ、ろじこ!何でそーなるんだよ!」
『え、違うの?』
「ろじこがやれよ!どーせ豆投げつけられて喜ぶだろお前。」
『喜ばんわ!!』


京介とぎゃいぎゃい言い合っていると、遊星がいつの間にか恵方巻きを人数分持ってきてくれた。
こういうところで彼はとても気が利く。


『遊星の…すごく、大きいです…』
「ろじこ、何言ってるんだ。」
『もとい、遊星の用意してくれた恵方巻きが、ね。』


おい遊星に浮気してんじゃーよ、と言ってくる京介をワロスワロスと受け流し、子供たちに恵方巻きを1本ずつ渡す。


「ありがとう、遊星兄ちゃん!」
「ろじこ、これ食べていいの?」
『うん。黙って食べるのが習わしらしいんだけど…どっち向けばいいんだっけ?クロウ兄ちゃん?』
「お前がクロウ兄ちゃんて言うな。確か、南南東だろ?こっちだよ。」


クロウがアジトからダイダロスブリッジの方角を向く。


『ちょ!ジャックもう食べ終えてる!なんで!』
「…ふん、方角など関係ない!」
『関係あるよ!!』


このジャック・アトラス様には全方角が恵方だ!とか、意味のわからぬことをぬかしつつ、もぐもぐと口を動かすジャック。


おーい、口に米粒ついてますよ?とジャックの口の端についてる米粒を指で取ってあげる。


『いい?アニー。今はジャックだからしゃーなし指で米粒取ってあげたけど、将来好きな人の口の横に米粒とかアイスクリームとかついてたら、ぺろって舐めて取ってあげるのよ?』
「ろじこ姉ちゃんはそういうこといっぱい知ってるんだね!」
「ろじこそーゆーことガキに教えんなよ!」
「アニー、今のは忘れていい。」
「おいろじこ、貴様しゃーなしとはどういうことだ!俺の方こそお前にそんなことされなくとも結構だ!」
「おいろじこ俺の口にも米粒ついてるぜ、早く舐めて取れよ。」


アニーに感心されるが、クロウが説教してくるし遊星はアニーに忘れろとか言うし、ジャックは起こるし京介は口に米粒いっぱいつけて近づいてくる。


「ほら、豆まきしようぜ!」


クロウが大豆の入った箱と鬼の面を出してくれる。
子供たちに分けてやり、鬼は外、福は内って言って投げるんだぞ、と丁寧に教えてやっている。


『鬼は京介ね、鬼柳だから。』
「はいはい、やりゃあいいんだろ。」


嫌々鬼の面をつける京介。
しかし、一度子供たちが楽しそうに京介に豆を投げると、ノリノリでうわぁやられたーなんて言ってるから可笑しい。
なんだかんだ彼も優しいのである。


「わーい、鬼は外〜!福は内〜!」
『ふふ!こういうときにしか京介を襲撃できないものね!おりゃー!』
「ってぇ!ろじこお前本気で投げんなよ畜生ぜってーお前だけは許さねえ後で覚えとけよ!!」





そんなこんなで豆をまき終わり、数え年の分だけきれいな豆を食べる。

帰り道、私はイツキとアニーにイワシの頭のついたヒイラギを渡してやる。


「うっわ、魚の頭ついてる…」
「ろじこ姉ちゃん、何これ〜?」
『これをね、玄関に飾っておくと外に追い出した鬼が家の中に入ってこないんだよ。』
「うわぁ、ありがとうー!」
『はは、これでクロウん家ちょー魚臭くなるね!』
「ろじこお前それが目的なんじゃ…」
『やだクロウ冗談よ!まぁ臭くなるのは本当だけど!』
「てめぇ!」
『ははは!』





みんなが解散すると、私は京介の部屋のベッドにゴロン、と横になる。


『楽しかったねー!』
「ガキに追いかけられて走んの疲れた。」
『京介けっこーノリノリだったよね。』


これで今年も一年平和だねー、なんて言っていると、京介が寝転ぶ私に覆いかぶさってくる。


『ちょ…!!』
「まだ俺のここの鬼がおさまってねーんだけど、退治してくれよ。」
『な…!!』
「ここにパンパンに溜まりに溜まった鬼がよぉ。もちろん、鬼は外してくれるよな、ろじこ?」
『ひいっ!む、む、無理ぃ…!』
「俺の福を思いっきりろじこの内に入れてやるからよ!」



きゃあああああああああああああああいああああああああああああああああああ!!!!



確かに、今年もこんなくだらないことが言えるくらい平和なようです!


+fin+




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