キャラかぶってんねん!




彼は、私を見るなり口一番にこう言った。











キャラかぶってんねん!










『こ、こいつ…!』
「童実野町になぁ、関西弁使うんはワイ一人で十分やねん。キャラかぶるやろ、その話し方やめろ。」
『なんで見ず知らずのあんたに言われなあかんねん!あほか!』
「あほはお前や!俺はダイナソー竜崎!恐竜デッキ使いや!」
『何がダイナソーや!寒いわ!氷河期か!絶滅しろ!』


私が一人で街中を歩いていると、茶髪のワイルドロングのお兄さんに絡まれた。
と思いきや、キャラがかぶる、である。

私の時代には関西弁キャラは私だけなんやから!


「だいたいお前こんな昼間っからこんなとこ歩いてからに暇人か!」
『ぐぬぅ!』


確かに、遊戯たちは高校へ行ってしまったので、私は暇である。
昼なら怖い人いないからいいやー!と思ったので街に来てみたら面倒なやつに絡まれるというオチだよちくしょー!


『うるさいなぁ、たこ焼き食べたくなったから買いにきたの。』
「え?ホンマ?ワイ、ええとこ知ってるで。」
『…まじで?』


さっきまでギャンギャン言ってたダイナソー竜崎が友好的である。
私も、美味しいとこを教えてくれるとなると、これは行かずにはいられない。


「なんやお前、未来から来たんか。」
『未来型人間!ぼくろじこえもん!』
「それを言うなら未来型ロボットやんけ!なんやねん未来型人間て!人造人間サイコショッカーかいな!」
『!!!!』


遊戯さんにはなかった、このツッコミですよ!まじか!


「ほんで?どうや、過去の童実野町は?」
『いつの時代でも、たこ焼きは美味しいね…』
「やろ?この屋台ええやろ?ダイナソー竜崎のオススメの店やからな!」
『うまうま〜』
「まぁろじこも大変やな。困ることもあるやろ?同じたこ焼きを食べた仲や、頼りや!」
『ダイナソー…!めっちゃいい人!素敵!』
「おいおい、惚れんなやー?」
『ヤケドはせんよ!氷河期やからな!あ、しもやけかな?』
「お前どこまでも憎たらしいやっちゃな!」
『あはは…!』


結論。ダイナソー竜崎はいい人!


ダイナソーとバイバイして、しばらく街を歩くと…


『城之内さん!遊戯さん!』


学校を終えた、キュートな方の遊戯さんと城之内さんとばったり会った。
あぁ、城之内さんの制服姿初めて見た。
学ランかっこいい〜ん!


『帰りですか?』
「おう!ろじこは何してんだ?」
『暇だからたこ焼き食べてました!』
「ろじこちゃんは関西弁だもんね。暇があったらたこ焼き食べるんだよね〜!」
『え?遊戯さん?馬鹿にしてますよね?わりと序盤からずっと私のこと馬鹿にしてますよね?』
「え、そうかな?」
『ひどい…!』
「なー、ろじこ!腹減った!俺もたこ焼き食いてぇ!」
『城之内さんは自由に発言しますね!てゆーか私今食べてきたところ言いましたよね!?』
「えー腹減ったよ!行こうぜろじこー!」
「ちょっと城之内くん、ろじこちゃんが困るよ。」
『行きます!キリッ!』
「ええっ!」
「おぉ、ろじこ!お前ノリいいな!」


遊戯さんは用があるので先に帰る、ということで、何故か城之内さんと二人で行くことになった。

で、でででで、でぇと!!!


「ろじこちゃん、夕飯までには帰っておいでね。城之内くんに襲われないようにね!」
『まぁ、襲われちゃったときは襲われちゃったでいいかなぁーって。』
「ばかやろー、んなことしねえよ!」


夕飯までには帰ってこい?

…んー、確かここに来る前に京介に言われたような。


京介のことを思い出し、少しの罪悪感を感じつつも、私は城之内さんとたこ焼きのお店に足を運んだ。


+continue+




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