モーニングショット☆





ピロリロリ〜ン♪

明らかな写メ音に、目を覚ます。










モーニングショット☆










『な、何…!?』
「チーッス、ばるこ。お前、よく寝るなー。」
『いや、まだ朝の6時…』
「そんな呑気なこと言ってるから激写されんだぜ。」
『どこが呑気だよ!!ってか、何でいつも遅刻するくせに、今日はそんな早く起きられるんだよ!!』
「愛って…人間を変えてしまうものなんだ…」


明後日の方を向き、グッとガッツポーズをとる十代。


『…どこ向いてんの??』
「とにかく、ばるこ。ヨダレの跡拭いたらどうだ??」
『げっ。』


可愛いかったなー、ヨダレ垂らしながら寝るばるこ。思わず写メに撮っちまったぜ。何の夢かなー、食べ物食ってる夢かなー、いや、もしかしたら逆に俺がばるこを食ってる夢かもしんねぇ。

そうつぶやく十代をよそに、ばるこは明らかな不機嫌顔で洗面所に向かった。


『ふぅ、サッパリした…』
「そーいや、ばるこ。」
『何よ??真剣な顔して。』





「何って言うか…その……一般に、女子って寝るときはブラジャー着けないのか??」





ガクッ


『おまっ…お前……!!』
「だって今、ばるこがそうじゃん。」


そう言って、ムギュ、と十代はばるこの胸をわしづかみにした。


『あ、あ、あんたはアホかぁぁぁーーー!!』


ドゴォッ

鈍い音が、ばるこの部屋に響く。


「ってー、マジ痛ぇーっ!!」
『黙れっ、この変態っ!!』
「ってか、またサイズが一段と…」
『まだ懲りないの…??』
「あっはっは、悪ぃ悪ぃ。」


ミゾオチを押さえてもがき苦しむ十代を一瞥し、フンッとソッポを向き、ばるこは着替えに行ってしまった。


「どこ行くんだよッ!?いつも起きたらそのままベッドの上で着替えてるんじゃねーの??」
『何で知ってるんだよ!?…着替え写メ撮られそうだから、トイレで着替える。』



ばるこが戻って来ると、十代は退屈そうに床に寝転がっていた。


『し、死んでるのかと思うじゃない…』
「男って、欲求不満で死ねると思うんだ。」
『黙れ変態。それで、十代。こんな早朝に何しに来たの??』
「いや、特に。ってか、今日に限ったことじゃないぜ。」
『…は!?』
「土日の朝だろ??ばるこは寝てて気付いてないかもしんねーけどさ、俺、割と通ってるぜ。」


これって、通い婚だよなー。

あっけらかんと問題発言をかます十代に対して、ばるこはワナワナと拳を握る。


『ねぇ、まさか十代、あんた…』
「おう。俺のPDAの中、ばるこの寝顔ばっかり!!」
『バカぁぁぁーーー!!』


カスッ

本日2度目の…ハズが。


『何ッ!?』
「はっ、同じ手が通用すると思うなよ!!」


そして、ばるこの胸に伸びてくる十代の手。

カチーン


「ってぇ、突き指したぁぁ!!」
『ムギュ、っていくと思った!?胸に皿を入れといたのよ!!』
「何ぃッ、一瞬のうちに…!?」
『ってか、突き指するくらいの勢いで胸触ろうとしないでよ…』



「くそぉ、俺は怒ったぞ!!」
『何にだよッ!?私の方が怒るわッ!!』
「こうなったら、ばるこの寝顔だけでなく、あられもない写メも撮ってやる!!」


立っているばるこのすぐ足元に、十代は頭から滑り込んでくる。


『嘘でしょぉぉぉ!?』
「秘技!!スライディングショット!!」
『ひぃぃッ!!』
「ナイスアングルで〜す☆」


ピロリロリ〜ン♪

本日2度目の写メ音。
十代のPDAは、ばるこのスカートの中を見事に写していた。


「フッ…最・高・傑・作!!」
『さっ、サイテー!!』


あまりのバカさ加減に、怒るに怒る気になれないばるこであった。





「ケータイの前のみんな!!盗撮は犯罪だぜ!!あと、彼女の前でも、あまりしつこいと振られるぜ、気をつけろよッ!!」
『お前が一番気をつけろよ!!』





++ END ++




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