生装備のカレ。





ガラッ


「ばるこ、入るぞ。」
『嘘でしょぉぉぉ!?』










生装備のカレ。










それは、私が自室でお風呂に入っていた時のこと。


『っはぁ、良い湯……』


湯舟に浸かり、リラックスしていると、突然風呂場のドアが開いた。

そして文頭に至る。

私の部屋は個室で、部屋には私一人だけだったはず。
誰かが入ってくることなど無い…はずが。


『じゅ、準…!?あ、あ、あ、あんた…!!』
「フン、驚いたか。この万丈目サンダーの一物に!!」
『そっちじゃない!!』


目の前に腕組をしてそびえ立つ、私の彼氏――万丈目準。
そう、彼は―――


『何であんた、生装備で堂々としてるのよ!?』


彼は、腰にバスタオルを巻いていなかった。


「自信があるからだ。」
『そんな自信いらんわッ!!』
「それよりばるこ、部屋の鍵が開いていたぞ。無用心だな。こっそり作った合い鍵を使う暇も無かったではないか。」
『だって女子寮は男子禁制だから安心…ってか、勝手に人の部屋の合い鍵作るなよ!!』
「部屋の鍵が開けっ放しということは、風呂のドアが全開も同然だと言うことを、ばるこの体に教え込んでやる。」
『余計なお世話よッ!!』


準はズカズカと入ってくると、シャワーで軽く体を流し、湯舟に入ってこようとする。


『ちょ、ちょっと待って!!』
「何だ??」
『湯舟狭いの、見れば分かるでしょ!?』
「当たり前だろう。」
『…入る気…!?』
「聞くだけ野暮だぞ。」


何の遠慮も無しに、湯舟に入ってくる準。
それと対照に、青ざめる私。


そして、準は私を後ろから抱きしめる体制を取る。
私はこの体制が嫌いではなく、寧ろ好きだ。
しかし、それも服を着ていればの話。


『あ、あのっ、ね…』
「どうした??」


何か固いモノが当たってるんですけどーッ!?

しかし、恥ずかしくて言えない。


『…やっぱ何でもない。』
「そうか。」


確信犯。
顔は見えないが、やらしい笑みを浮かべる準が手に取るように分かる。


『っ!!な、何するのッ!?』


私の首筋に準が顔を埋めたと思った瞬間、チクッとした痛みが走る。
さらに、抱きしめていた準の手が私の胸を触っている。


『っあ…準、やめ…』
「好きな女の裸を前にして耐えれるほど、俺はよく出来た人間ではないと、知っているだろう??」
『だからって、こんな明るいところで…っ』


普段、このような、もしくはこれ以上の行為をするときは、必ず照明を消す。
準は不服そうにするが、私が恥ずかしいからだ。

湯の温かさも手伝って、私の顔は紅潮し、脳の働きも鈍くなり、ボーッとする。

しかし、このまま準に身を任せると、どうなるかは容易に分かる。
私には、まだ理性というものがある。


『あっ…ぅ……………だぁぁぁぁー!!』
「うおっ!?」


この状況に耐え切れなくなった私は、飛沫と共に突然立ち上がった。


「ばるこ、どうした…??」
『っはぁ…準、あんたって人は…!!』
「そんな涙目で睨まれても、寧ろそそられるぞ。」
『サイテー!!準とは一生しない!!』


湯舟に準を残し、風呂場から出る。
すると、準も風呂をあがってきた。


「おい、待てばるこ!!」
『な、何。』
「お前は、俺のことが好きではないのか??」
『す、好き…』
「じゃぁ、何故嫌がる??」
『だって、恥ずかしいし。』
「俺に、ばるこ、お前の全ては見せてくれないのか??」
『そ、そんなことないけど…何でそこまで見たがるの??』
「俺が、ばるこを愛しているからだ。」


真っすぐに私を見つめて離さない。


『準…』


相変わらず、バスタオルを纏わない彼だけど…


そんなところも含めて、大好き





++ END ++





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