性感帯絶対死守!!





『む、無理ぃ…全然分かんない!!』
「お前…進学する気あるか??」










性感帯絶対死守!!










『…何、そのルール。』
「余りにもお前が出来なさすぎるから仕方なくだ。」
『仕方なくの割には、随分と準に都合の良いルールね。』
「当たり前だろう、教えてやってるのは俺なんだからな。」
『うっ…それはそうだけど…』


とある日の休日。
定期テストに備え、万丈目に数学を教えてもらっているばるこ。
その意欲は結構なことだが、さっきから全然理解出来ていないようだ。
ここはスパルタしかないな、と思いつつも、まさか大切な彼女に手を出すなど出来るはずがない。
そこで、万丈目はひらめいた。

――問題を解かせ、1問間違うごとに1枚脱がせば良いではないか!!――


「では…まずはこの問題、解いてみろ。」
『なっ、(1)〜(5)まであるじゃん!!どんだけ〜』
「いちいちウルサイ奴だな。誘導になっているから解きやすいはずだ。」
『む〜……』


案外これは効果があるかもしれない。
さっきまでの、万丈目が問題を解きながらばるこに説明する方法より、実際に問題をやらせて解法を頭に叩き込む方が本人も集中する。

しかし、万丈目にとっては試練かもしれない。


「(ばるこ、早く諦めるか間違え!!いや、今ここでさっき俺が教えた成果を出せ!!しかし、ばるこの裸体が見たい!!コラ、そんなエロマインドでどうする万丈目準、ばるこにはちゃんと出来るようになってもらわなければ!!)」


葛藤の間でもがき苦しむ万丈目をよそに、ばるこは必死に問題に取り掛かっている。
こんな昼間から脱ぐなんて、まっぴらなのだ。


「そろそろ制限時間の10分だ。」
『制限時間あんの!?でもねぇ…出来た!!』
「ほぅ……ちっ、合ってる。」
『何、その舌打ち??』
「ええい!!次の問題だぁッ!!」
『(ゼッタイこいつ脱がせるつもりだ…!!)』


次に万丈目が出した問題は、さっきとは格段にレベルの違う問題だった。


『え…意味分からない…』
「複合問題だからな。」


複合問題――それは、いろいろな単元の知識が必要とされる問題。


『何…何で関数にベクトルが出てくるわけ…??しかもまた小問(5)まであるし…』
「どうする、諦めるか??次は軽めのを出してやるが。」
『くっ…ふん!!上着1枚くらい、痛くも痒くもないわよ、諦める!!』
「あ、言い忘れていたが、大問1つで1枚ではないぞ。」
『えぇっ、てことは…』
「ばるこは丸々しなかったから、5枚脱いでもらう!!」
『と、途中まで解くんだった…!!ってか、そんなんしたら一発で全裸なんだけど。』
「フン、良いじゃないか、一発逆転。おジャマデルタハリケーン…」
『…何言ってるの??…っひぇぇ!?』


ばるこに馬乗りになる万丈目。
どうやら、本気で脱がす気らしい。


『っや、やめ…準…っ!!』


脱がせついでに、ばるこの感じる部分を攻める……はずが。


『バカ!!有り得ない!!』
「てっ、痛いだろうがぁ!?」
『本当、サイテー!!どこ触ろうとしてんのよ!?』
「そりゃ、全体的に…っ、わ、悪かった!!テスト、ヤバイんだろ!?勉強を続けるぞ!!」
『はっ、そうだった…!!』


クッションで万丈目を叩き続けていたばるこだが、”テスト”の一言で我に返る。


「フ…大問はあと3つある。それが全て出来れば…イイコトが待っているぞ、ばるこ!!」
『イイコトって…準にとってはね。』
「ばるこも満更ではないくせに。」
『何ッ!?』


取りあえず、裸のまま問題を解くのも嫌なので、バスタオルを体に巻く。


『(ゼッタイ全問正解して全部服着てやるわ…!!)』
「もう脱ぐものもないしな…よし、この3問解いてみろ。出来ればまぁ進学は出来るだろ。」
『よーっし…』


カリカリと問題を解くばるこ。
理解力がないわけではないようだ。
集中すれば基本レベルはまず間違わない。
ただ、その集中力がなく、おまけに授業中に居眠りをするから分からなくなるのだが。

そんなことを考えつつも、万丈目の目線はばるこの胸の辺りに注がれているようだ。





「万丈目、今日こそ決着をつけよう!!」
『でっきたぁぁ!!』


何の決着かは知らないが、ガチャリ、と勝手にドアを開けて入って来たのはガラム財閥の御曹司、アモン。
そして彼の言葉と重なるように叫ぶばるこ。

さらに、ばるこは服を着ることしか眼中になく、アモンに気がついていないようだ。
バスタオルをバッと宙に脱ぎ捨てる。


『出来た問題の分だけ、脱いだ服は再び着させてもらうわ!!』
「俺は着て良いなど一言も言っていないぞ!!」
「なっ、何をしているんだっ!?破廉恥だぞお前たち!!」

『「アモン…!!」』


万丈目ルームに入るや否や、生まれたままの姿であるばるこを見てしまったアモンは、顔を真っ赤にして叫ぶ。

「貴様っ、ばるこの裸を見るとは良い度胸してるではないか!!この時を狙って入って来たのだろう、このムッツリが!!」
「ちっ、違う!!不可抗力だ!!とにかく…すまなかった!!」


風の如く万丈目の部屋を去るアモン。
彼らのやりとりの間に、ばるこは完全に自分の服を着ていた。


「コラ、ばるこ!!誰が着て良いと言った!?」
『じゃぁ準は、私がアモンを前にしても裸でいろって言うの!?』
「ベッドの中で待っていたら良いだろう!!」
『ばっ、バカ!!変態!!』
「何とでも言えッ!!俺は…ヤる!!」
『なっ……やぁぁ!!』





―――定期テスト後。


「どうだ、ばるこ??出来ただろうな。」
『そっ、それが…』
「なっ、何だこれは!!50点満点のテストではないんだぞ!!ちゃんと俺が教えたこと、思い出したのか??」
『思い出そうとしたらね、間違えて、準とヤってるとこ思い出しちゃって…』
「………。」



以後、万丈目がばるこに勉強を教えるときは、しっかり真面目に教えたそうだ。

そして、アモンはばること目を合わせられなくなったとか…





++ END ++





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