恋人と過ごす平和な時間
恋人と過ごす平和な時間
万丈目ルームで万丈目がデッキの調整をしていると、控え目なノックの音が聞こえた。
少しして扉が開き、ばるこが顔を出す。
「準、ちょっと良い?」
「どうした?」
「うん……あの、ちょっとお願いがあるんだけど……」
珍しくしおらしい態度のばるこに、万丈目の鼓動が速まる。
「ま、まぁ……俺に出来る事なら聞いてやらん事も無いが……。」
「本当?」
「あぁ。で、頼みというのは何だ?」
「女装して欲しい。」
真顔で放たれたばるこの言葉に、万丈目は硬直する。
それを見てありこは失笑した。
「ふふ、冗談だよ。」
「真面目に聞いているのに変な冗談を言うんじゃない!」
「ゴメンゴメン。あのね、最近どうにも眠りが浅くってさ。で、仮眠をとりたいんだけど、その……。」
そこまで言って、ばるこは突然言葉を濁す。
そして、自分の髪を指で弄びながら、少し照れた様に口を開いた。
「膝枕、してくれないかな……?」
「膝枕?」
「その……準が側にいてくれたらよく眠れる様な気がして……。」
「……まぁ、それくらいで良いならしてやっても構わんが……。ほら、こっちに来い。」
万丈目はばるこの手を取り、ソファーへと座る。
ばるこは万丈目の脚に頭を乗せると、万丈目の腰に腕を回して眠りについた。
(……大人しくしていれば可愛いのにな……。)
初めてばるこの笑顔を見た時の事を思い出して僅かに赤面する万丈目。
その後、ばるこが起きるまで万丈目は精霊達に冷やかされ続けたとか……。
+fin+
型無麗奈さま、ほのぼの甘い素敵な小説をありがとうございます!
しかも2作品も頂けるなんて…!!
こんな可愛らしいヒロインは私はなかなか書けませんので、羨ましいです〜^^*
[ 3/3 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]