石版でつながる世界
私たちは初めにこの世界にやってきたときにいた森へ足を運んだ。
この冒険は、
石版でつながる世界
「着いたぜ。この辺りだろ、俺たちが初めにいた場所は。」
『うん、ここからサテライトに帰れるのかな。』
京介のポケットに入れていた石版が光出す。
「おお!石版がまた光ったぞ!」
『帰れるのね…!』
私たちが目を閉じると、石版の光に包まれる。
「は!ここは…!」
『アジトだわ…帰ってきたのね。』
「石版がなくなってる…夢、か?」
『ホイミ!えい!……何も起こらない。』
「…でも、おれたち、村を救ったよな?」
『…うん。』
あれは一体なんだったんだろうか…
「鬼柳!ばるこ!あれ、お前らいつの間にアジトに帰ってたんだ?」
『え?』
「お前らがいねーなーって思ってたんだけど、やっぱどこにもいねーからよ。どこ行ってたんだ?」
「『……異世界に?』」
「……………はぁ?」
「世界を。」
『救ってた。』
「……………え、お前らココ大丈夫か?」
クロウはツンツン、と人差し指て頭を指して言う。
余計なお世話よ。
まぁいいや、とクロウは言うと、これでも食えよ、と袋をひとつ置いていった。
『スライムグミ…?ちょ、このパッケージ見てよ、このグミ、この前戦った青いプルプルのモンスターにそっくりなんだけど…』
「おい、製作所の住所見ろよ。…ウッドパルナだと。」
私たちは顔を見合わせる。
「『…どういうこと?』」
おかしいな、ウッドパルナという地名は、普段聞いたことがなかった。
京介がパソコンを開き、最新のニュースをチェックする。
「なになに…おっ、ばるこ見ろ。あなたのD・ホイールもひとつ上の輝きに!カラーストーン特集…だとよ。」
『えっ、何それすごい!私のD・ホイールもデコりたい!…って、カラーストーン!?もしかして…』
「産地なんかは載ってないが、カラーストーン採掘場といえば…俺たちも行った、よな?」
私たちは状況がいまいち飲み込めなかったが、自分たちが異世界で救った村が、自分たちの身近に現れている、薄々そんな考えを持っていた。
数日後、京介がまた石版を持ってやってくるのである。
「おい…また変なもん拾っちまったんだけど。」
+continue+
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