表裏一体
ふと目を覚ますと、私は布団の中にいた。日はもうだいぶ高く上がっている。 首を横にもたげるとあの彼ではなく、曽良くんがいた。少し離れたところで本を読んでいる。
(ああ、なんだ夢か…) 妙に安心して体を起こした。 ちなみに曽良くんはいつも気付いたら庵内にいる。正直怖いことだけど、最近はそれが当たり前になって気にならなくなった。
ふと曽良くんが私の意識が戻ったことに気付いて近づいてくる。 ああ、曽良くんおはよう――なんて言おうと口を開いた瞬間、
曽良くんの平手が私の左頬に決まった。
いきなりの暴力に私がただただ呆然としていると、曽良くんが私を睨み付けて言った。 「昨日の夜、どこの誰とヤッたんですか」 抑揚のない低い声。しかしその声は完全に怒っていた。 いやいや、まず曽良くん今誰とヤッたって―― 「白を切るおつもりですか」 「ぐええ!ちょっ、喉にチョップされたら話そうにも話せなくなっちゃうでしょ!ていうかさっきから曽良くんの言ってること意味分かんな」 「だったらなんでこんなに痕を残したまま寝てるんです!」 曽良くんに指摘され、えっ?と自分の体を見ると、チラホラと激しく情事を催したと物語る痕、所謂キスマークが残されていた。一気に顔が熱くなる。
「や、やっぱりあれって夢じゃなかったんだ…っ!!」 「夢か現実かも分からない状態でヤッたんですか!?今すぐ誰とヤッたのか教えなさい!僕が二度とヤれないように断罪してきますから!!」 「ちょっ、曽良くん顔怖っ!お、落ち着いて!あのね、これには深ーい訳が…」 「言い訳は無用です、ほら!さっさと言わないとまずは貴方から断罪しますよ!」 「ヒヒイン!!待って曽良くん!!」
その後、何とか曽良くんの誤解は解けたものの、もう一つの世界の存在を話したせいで、今度は「僕が受けに回るなんて断じてありえません」と言ってその日はずっと不機嫌。 しかも、もう一人の私が付けた痕を拭い去るために曽良くんが不機嫌なまま昼間から性的な意味でハッスルするとは思わず、おかげで2日ほど腰が痛んで動けなかった。
…なぜもう一つの世界に飛んだのか、どうやって戻ってきたのかは未だに分からない。
------------ カッとなって打ちました。 一応芭曽の芭蕉さん×曽芭の芭蕉さんの話でもあり、芭曽・曽芭の話でもあります(笑) (私の頭が)パラレルワールド\(^o^)/← 打ってて楽しかったですw
2012.07.24 ←|back|→ |