夏の暑い日差しの下、わたしはアーチャーに手を差し伸べられる。きょとんと、わたしはアーチャーを見て、それから徐々に胸元、腰、膝、足元を見ていく。どうしたんだろうって意味で。階段。アーチャーはすでに一段、階段を降りていて。

「あ、」
「……どうしたんです?マスター。いらないんでしたら、いらないって一言いってくれないと」
「ううん、何でもないよ。ありがとう」

きっと、階段を降りるのが辛いとアーチャーに思われたんだ。前、階段を降りている時に疲れて、ふらふらしてたのを見られちゃってたし……。わたしはもう、アーチャーのおかげで大丈夫なんだけどなあ、と冷静に一人こころの中で呟く。でも、アーチャーのその心遣いが嬉しくて、笑みを浮かべながら彼の手を取った。


2020.11.20

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