いーちゃんとは本当に色々あった。
出会って、遊んで、親しくなって。
傷付け合ったり、結構な頻度で死にかけたり、すれ違ったり。……濃い波瀾万丈としか言いようがない人生を歩む、いーちゃんを病院のベッドの上で、ただ見送ることしか出来なくて、悲しみに暮れていた時期だってあった。
でも、こうして生きている、お互い地に足をつけて息をしている。
病院の帰り、迎えに来てくれたいーちゃんと桜並木の道を歩く。まだ歩くのが遅い私のスピードに合わせてくれているのかゆっくりと進む。
日光が温かく降り注ぐ、桜の花びらが散る。
こんな、未来がくるなんて、夢にも思わなかった。あの日、私の全てが終わってしまうと覚悟していたのが嘘みたいだ。
私はお互いを支え合いながら生きていく、これからずっと。


2020.11.18

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