初めて出会ったとき、炎のような赤い瞳が、綺麗だと思ったのをふと思い出した。

「あぁ、リーフ、マーちゃん」
「ファイア…待たせてごめん」
「ううん、いいよ」

素直に謝れば、ファイアは気にしないで、というように首を振る。
オーキド博士と共にやってきたファイアは、私たちの間に収まった。
そして、平淡な表情で「ポケモン、決めた?」と聞いてきた。

「え、あれ本当だったの?」
「本当だよ」

真顔で言われても。
助けを求めてリーフの方を見れば、さっさとしろ的な目を返される。
反らすまま博士へ目を移せば、にっこりと笑いかけられた。

「もう二人から聞いておる、まずはマイカから選ぶのじゃろう?さて三人ともこちらに来なさい」

もう言ってありましたか。
ファイアは意外と策士だな…。
博士に言われるまま、三人でテーブルの近くに移動すれば、博士の背後の機械から、三つのモンスターボールが入った透明なケースが現れる。
ケースを丁寧に取り出して、優しくテーブルに博士は置いた。

「さぁ、この三体の中から、選びなさい」

正面に優しそうな笑顔。
左には気持ち笑顔の真顔。
右には澄ましたおかん。
…全員、男だ。
……男だらけの空間は苦手だから早くすませてしまおう。

「このボールの中には何が?」
「草タイプのフシギダネじゃ」
見たことある、あの緑色で背中に植物の種らしきものがあるポケモンだ。
「このボールは?」
「炎タイプのヒトカゲ」
こっちも見たことある、身体が橙色のドラゴンタイプの体系に近いポケモン。
「これは…」
「水タイプのゼニガメじゃな」
うん、水色と甲羅が印象的な、目がぱっちりしているポケモンだよね。

全部の中身を知った私はどうしょうかなと首を傾げてしまう。
どのポケモンも、ここでリーフにこっそりと見せてもらったことがあった。
小さくて可愛くて、人懐っこかった気がする。
うーん、どうしよう、迷う。
あまり長く悩んでしまい、選ばないでいると二人に迷惑をかけてしまう。
唸りを上げる私。
そんな私を見て、正面で朗らかに笑う博士。
左でじっとこちらを穴が開きそうな程、見つめてくるファイア。
右で窓の方を向き、手で口元を覆いながら欠伸をするリーフ。
……居心地悪い。



よしきめたと、私は手を伸ばした。





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