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「おおーっ!遥香ちゃん、分かってるじゃねぇか!!」


…何だろう。新八さんが叫んでる。
彼に渡したの、結構テキトーだった気がするんだけどな…(←失礼)


考えてても仕方ないし、とりあえず呼んでみようかな。


「新八さーん。出来ましたー?」

「おぅよ!今行くぜ」


そう言って出てきた彼に………。





「「「「「「………。」」」」」」





私達は無言になった。



だって、だってね。

新八さんってかなりガタイがいいじゃない?
その彼に、私は……。



「スケルトンの全身タイツなんか渡してすみませんでしたー!!!!!!」



あ、スケルトンっていうのはガイコツの事なんだけど。



新八さんなら、全身タイツでも躊躇いなく着てくれるだろうっていう私の考えは当たってたのよ、確かに。


だけど、これは思った以上に破壊力が大きいわ。
ムキムキの身体に、骨のプリントされたタイツが…。



私は思わず全力で謝罪の言葉を叫んでしまったんだけど、新八さんには伝わらなかったみたい。

周囲のビミョーな空気や視線も何のその。


「見よ!この素晴らしい肉体美!!この肉体だからこそタイツが似合っちまうんだよなー」

いやー遥香ちゃん分かってるぜ!と、ご満悦の様子。


「…そんなムキムキのガイコツいないよね?」

というかガイコツってそもそも、肉体なんてないし。



小声で突っ込んでしまったけど、許してほしい。
周りの皆も、無言で首を縦に振っている訳だし。



あの面子が全員揃って黙るなんて珍しいと思う。普段はあり得ないし…。




(何だ何だー?皆ノリ悪ぃぜ!!)

(ごめん、新八さん。着せておいて悪いけど近寄らないで…)






**
扱いの可哀想な新八さん。ごめんなさい…。
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