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いよいよ明日・・沖田くんとデートだ。

練習した通り行先を水族館に指定すると快諾してくれた。

でも近づけば近づくほど・・・何だか変な気持になる・・・。

携帯を何度も見ては左之さんのアドレスを探している。

メールしたい・・・でも何か用がある訳ではない・・でも無性に逢いたくて・・

気が付くとあの場所へ行ってしまった。

「いらっしゃい・・、あなたは確か原田くんのお客様でしたね。何か不都合でもございましたか?当店ではアフターサービスも充実しておりますので、ご遠慮なく。」

どうしよう・・・逢いたいだけなんだけど・・

「あれ?葡萄か?」

左之さん・・・

「あ、ちょうどいい所にきましたね、原田くん。このお嬢さんのアフターを頼もうと思っていたのですよ。」

「あ、いえ・・・特に何がある訳ではないので・・・失礼します。」

夢中で逃げてしまった・・

「おい、待てよ。」

追いかけてきてくれた左之さん

「ごめんなさい。大した用もないのに・・行ってしまって・・。」

「大した用がないのに・・・俺に逢いに来てくれたんじゃねぇのか?」

恥ずかしい・・でも言いたい・・

「逢いたかったの・・どうしても・・。」

「ふ、大した用じゃねぇか。俺もおまえに逢いたかった・・・だからメルアドを渡したんだぜ。

きっと連絡を寄越すと思っていたのによ・・音沙汰なし・・わざとか?俺をやきもきさせるなんて言うのは・・大物だぜ・・おまえ。」

「違うよ・・ずっと気になって何度もテンキーを押しそうになったの・・でも左之さんはお仕事として私を見ているんだからと自分に言い聞かせて我慢したの。」

「仕事だったらな・・逆にこんなまどろっこしい事なんてしねぇよ。ガンガン攻めるのみ。だがな、おまえの事は大切に思うから・・・俺らしくないが待ったんだ。だから、もう遠慮しねぇ。葡萄、俺と付き合ってくれ。」

「はい。」

私は嬉しくて左之さんに飛びついた・・左之さんはしっかり抱きしめて・・

「それじゃあ、これからな・・上手く交際を断る為の講座を個人レッスンしてやるよ。」

「あ、沖田くん・・。」

「こら、俺の前で他の男の名前を呼ぶなよ・・・いいか、明日しっかり断ったら・・ご褒美に恋愛指南上級編を実践モードでやってやるぜ・・上級だから・・帰れないかもな。」

嘘・・唖然とする私の頬を優しく包んで口づけをするあなた・・・

こうして私の恋は始まったのです。



(終わりとおまけ)
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