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そして
「ほらやってみろよ。」
「はい・・・あの・・左之さん・・。」
え、何だって言いながらさり気なく肩を抱いてきたよ。
「あの・・肩・・。」
「ああ、これは・・・俺への報酬だな。いいだろ。」
それから例のお魚の話をして・・何回か会話をしていくとようやく緊張も解けて普通に会話が出来るようになった。
「よし・・いいんじゃねぇか。次は食事か・・。」
「おまえが食べたいものは?言っておくが海鮮物は止めた方がいいな・・。」
「そうですね・・それは分かります・・・え〜と。」
頭の中で沖田さんを思い浮かべた。
日頃コーヒーショップ勤めなんだから、そこにあるようなメニューはな・・・。
「そんなに真剣に考える事か?」
「そんなこと言ったって・・本当に何から何まで初めてで・・。」
「拗ねるなよ・・。そうだな・・まあファミレスでいいんじゃねぇか。無難なハンバーグとか。」
「え、そんなのでいいんですか?」
「ああ、たぶん相手も合わせてくるから・・こうだな。美味しいけど私もこれくらいなら作れるかなとか・・さりげなく。出来るだろ?」
「ええ、それなら・・たぶん。」
「一般的に男は料理上手に弱いだろ・・家で食べる物って特別である必要なんてねぇんだよ。この会話だけでもポイント稼げるぜ。」
感心してしまったと同時に恋愛って駆け引きなのって思うと少し残念な気がしてならなかった。
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