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いつも学校帰りによるコーヒーショップで女の子が注目している店員さんが彼。

背が高くて、翠の瞳にサラサラの茶髪・・イケメン・・・。

私には縁の無い人だからと意識したことがなかったのだけど・・・たまたま乗った電車でお見かけして・・その人が落とした定期を拾ったのが・・まさに運命。

お名前は沖田総司さん・・歳も変わらない・・。

駅に届けず、直接お店に持って行くと・・彼が居て感謝された。

これ今日のお礼だよって・・いつも私が飲んでいるカフェモカを奢ってくれて・・それからだと思う・・話すようになったのは。

そしてある時、レシートに携帯のアドレスを書いて渡してくれた。

でも・・あんな素敵な人・・もしメールをしたら・・調子に乗っているなんて笑われないかな・・そう考えると怖くて・・何もせず、カフェにも行かなくなった。

それからどのくらい経ったか・・いつもの電車に飛び乗って、ホッとした瞬間目に飛び込んで来たのは翠の瞳の・・・マズイ・・何て言おう・・

「葡萄ちゃん、どうしたの?顔色が悪いけど・・・。」

「ははは、大丈夫ですよ・・ありがとうございます・・・じゃあ・・。」

「じゃあって、それだけ?」

「あの・・・。」

「アドレス渡したのに何も連絡を寄越さないで・・店にも来ない・・それって僕の事嫌いって事かな?」

「ち、違います・・私こういうの初めてで・・沖田くんにからかわれているのかと思ったから・・。」

「なんで?」

「だって・・沖田くんの周りの子達ってみんな可愛いもの。私なんか相手にするわけないから。」

「どうしてそう思うのかな?きみって鏡見たことないの?」

「?」

「すごく可愛いよ。それに優しいし・・だからお店でいつもきみを見ていて・・。でもきみはけして僕を見ようとはしてくれなかった・・彼氏いるの?」

「いないよ・・そんな人・・。」

「よかった!だったら僕と付き合ってよ。僕の事・・付き合ってみながら知って欲しいんだ・・ダメ?」

私の事が可愛い・・って・・

「黙っているってことは肯定ね・・ふふふ・・じゃあ、今週の日曜日にデート。携帯貸して。」

勢いに押されて携帯を差し出すと沖田くんは何やら操作して返して来る。

「僕のメルアド入れたから、後で連絡するね・・それと・・お楽しみ・・じゃあね。」

私はただ沖田くんの後姿を見送っているしかなかった。

しばらくして携帯を開けてみると・・そこには笑顔の沖田くん・・手はピースの待ち受けになっていた。
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