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「おはよぅ」
『おぉ』
「新ちゃん、どないしたん?」(やべ、もうばれたか?)
『ん?』
「マスクやん、風邪でもひいたん?」
『昨日、寝る前に水風呂はいっててん、そしたらなこんな状態や(笑)』
「はぁ?あほちゃう?」
『まぁまぁ、熱帯夜でねむれんかったんや、ほないくで』
「もう、まってーなー歩くんはやいねんって」
まさか、水風呂に入った理由が、夏休み最後の地区花火大会で初めてみた奈々の浴衣姿に
興奮してもて、寝付けなかったなんて恥ずかしくて口が裂けても言えるか…。
しばらく、駅に向かって歩いていくと後ろから、
「なぁ、新ちゃん」 『ん?』 「ん?やない!振り向いてよ!」 『なんやねん』
手を差し出す奈々、これはもしかして手をつなぐげってことか?
いや、そりゃ昨日は、祭りではぐれたらあかんおもって確かに手をとってあるいたが…
それと、登校中にはさすがに他にしてるやつおらんし…。
『お、おい…、まさか…昨日のあれはだな?ほら、はぐれたらあかんしおもってな…』
「新ちゃん?何かんちがいしてんの?じゃーん、ほらほら見てあのお祭りでガチャしたでしょ?
家に帰って楽しみに開けたら、一番ほしかった総司のストラップあたっちゃった^^」
『 ぉお!!(゚ロ゚屮)屮、そういうことね』(まさか、今俺がまさにその顔してるなんて夢にもおもわんだろうな?)
「あれれ〜?もしかして手でも繋ぎたいっておもっちゃった?」と可愛く微笑む奈々に、すかさず突っ込む。
『あほいうな!よかったやん、総司あたって、俺はミクちゃんでーへんかったわ』(※ちなみにボカロの初音ミクのこと)
「なぁ、新ちゃん、もう来年大学生やろ?そろそろ、2次元引退やろ?」
『やかましい!おまえも、ゲームのキャラに恋してキャッキャッいってるやんけ』
「だって総司かっこいいんやもん。総司に告られたら…」
『告られたら?』 「つきあうしかないやろ(。-_-。)ポッ」 『はぃはぃ、言ってろ』
ってことは、俺は?やっぱ俺より沖田かぁ。。。まぁたしかに、沖田というよりは、熊のプーさんよろしく、
となりのトトロってかんじですけど…。イケ面ではないが愛嬌はあるとおもうぞ。。。でも、まてよ?
いまなら、もしかして、この顔で告ってみるか?
『なぁ、奈々 もしよ、いま、もし沖田が現れたらどうよ?』
「なんなん?いきなり?」(そりゃそうだ^^;)
『あのさ、だからだな、告白されたら付き合うのかってきいてんだよ』
「うん(。-_-。)ポッ」
『(よし、ここは一世一代の大勝負!この顔の今なら告白できるかも)』
『あのよ、いまからいう話よく聞けよ…』
「ん?新ちゃん、目が怖いよ…」
おもむろにマスクを取り…「奈々、おれはお前がずっと好きだった!付き合ってくれ!」
「………」(やっぱ、沖田顔でもあかんやんけ!まぁ中身は俺やしな(_ _。)・・・シュン)
「うん!やっといてくれたね!これからも末永くよろしくね」
『っしゃー!』(っていったものの、なんか嬉しくないぞ…)
そりゃそうだよな、奈々が返事したのは俺でなく、沖田顔の俺なわけで、これって複雑だよな…。
「どうしたん?もっと喜んだ顔してよ」
『いや、あの、その、なんだ、やっぱこの顔だからか?』
「なにが?」 『いや、ほら、俺の顔、いつもとちがっておかしいだろ?』
「ん?いつもへんな顔やん( *´艸`)クスッ♪」
『(あのなぁ)いやいや、だからお前の好きな薄桜鬼の沖田の顔だからOKくれたんだろ?』
「だれが? 新ちゃん? 水風呂はいって頭までやられたか? いつもと一緒の顔やん」
『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ』(どういうことだ?確かに起きたら沖田になってた…だ洒落かよ)
『いやほら、よくみてみ!俺の顔変やろ?』
「うん!だからいつもと同じ変な顔やで^^」と奈々は胸ポケットから小さい手鏡をだして俺にみせた。
『のぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ』
事のなりゆきがわからず、朝からのいきさつをすべて話すと…奈々は
「総司は、あくまでゲームの話。うちは、むかしから新ちゃんが好きやよ。もちろん外見なんか関係やないし」
『そかぁ?』
「なんなん?もしかして総司顔の今ならとかおもってたん?卑怯な男やな?」
『ちゃうちゃう、あほぬかせ、もともと、バシって決めるとききめるつもりやったわ!』
「ふーん、あやしいなぁ、まぁそういうことにしとくわ。ほらいつもの電車遅れるよ!」
どうやら、奈々への片思いで悶々としてすごしているうちに、ちょっと神様がいたずらして告白する勇気を
与えてくれたんかな?夢でもみせてくれたんやろうな。。。。
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